半導体活用マニュアル
DATE H8.6.10
Produced by.永濱 伸也
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電子は水の粒と考えよう。こいつは負の電荷を持っていて、普通の状態において、下へ落ちようとします。正孔は気泡と考えよう。こいつは正の電荷を持っていて、普通の状態において、上に浮き上がろうとします。
注)理解しにくければ、自分の身近な物に置き換えて、イメージしよう。 -
電子がそこにいれるかいれないかを考えるための模式図。
励起
励起とは、下図のように、電子が、何らかのエネルギーを得ることによって、今ある状態から、より高い状態へ移ること。
価電子帯
valence band(ヴァレンスバンド):電子で埋め尽くされた領域。水槽いっぱいに水がたまっているようなもの。エネルギーバンド図でいうと、EvbからEvまでのこと。ここで、「v」というのはvalenceの頭文字、「b」というのはbaseの頭文字-
conduction band(コンダクションバンド):電子が空っぽの領域。空っぽの水槽のようなもの。エネルギーバンド図でいうと、EcからEctまでのこと。ここで、「c」というのはconductionの頭文字、「t」というのはtopの頭文字
キャリア
carrier(キャリア):運ぶ人、または、物。ここから生じた言葉で、電子は負電荷を運んでるし、正孔は正電荷を運んでるから、こいつらをキャリアという。共有結合
共有結合というのは、2つの原子が結合する手段の1つで、それぞれが、電子を1個ずつ出し合って強力に結合するというものです。荷電子
原子核を中心に電子の入れるわっかが、元素によっていくつかあって、その一番外側のわっかに入ってる電子のこと。
V族・W族・X族
荷電子が、それぞれ3個と4個と5個の物
真性半導体
W族のSi(シリコン)やGe(ゲルマニウム)なんかがそうで、不純物を含まない奴。-
真性半導体に、V族のB(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)だとか、X族のP(リン)、As(砒素)、Sb(アンチモン)なんかを少量加えた奴がそうで、前者を加えた奴を、p形半導体といい、後者を加えた奴をn形半導体という。
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例えば、Siに少量のPを入れます。その場合、下図のようにX族のPは、共有結合するための電子を1個余分に持っています。ですから、少しのことでPは周りのどこかへ、電子を1個放出してしまいます。このように、電子が動くことによって電気伝導が起こるため、こいつをn(negative)形半導体といいます。
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例えば、Siに少量のGaを入れます。その場合、下図のようにV族のGaは、共有結合するための電子を1個持っていません。ですから、Gaは、周りのどこかから、電子を1個もらってきて、その穴を埋めるしかありません。ということは、正孔が移動しているということになります。このようにして、正孔が動くことによって電気伝導が起こるため、こいつをp(positive)形半導体といいます。
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