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研究成果一覧
福祉情報工学研究室(新川研究室) について

 近年、医療技術の高度化に伴い「命を救う技術」が向上し、平均寿命が飛躍的に延びました。それとともに、「人々が生前にいかなる質をもって幸せに生きたか」、すなわち、Quality of Life(QOL=人生の質)が人生の長さと同様に尊重されるべきであるといった意見が重要視されるようになりました。
 現在、高齢者や障害者がQOLを高く維持しつつ生活できる環境の構築を目的とした、生活環境のバリアフリー化に関する研究が盛んに行われています。その中で、新川研究室では情報工学を軸にして、「自己表現/人と人、人とコンピュータのコミュニケーション支援」をテーマに掲げ、これらのバリアフリー環境構築を目指しています。

現在着手している研究テーマ
 新しい楽器演奏・音楽療法手段
  • 四肢を用いずとも演奏可能な電子楽器の開発
    現存する楽器は、ほとんどが手足を用いて演奏するものです。手足を用いずに演奏する楽器を開発することによって、四肢麻痺や寝たきりなどの状態になっても楽器を演奏することができます。
  • 新しい能動的音楽療法手段に関する研究
    楽曲を聴いて、心身をいやす受動的な音楽療法や楽器演奏を行うことで運動機能の回復を目指すような能動的な音楽療法がありますが、それを融合させる新しい音楽療法手段を模索しています。
 リビングテクノロジ
  • 日常の食生活管理のためのネット家電開発
    今、食べている(食べようとしている)ものは、一体、何カロリー?塩分や糖分は?これらを出来るだけ容易に計測できるネット家電を開発します。
  • 乳児の哺乳動作の計測に関する研究
    赤ちゃんがお乳を飲むときの動作を計測する手段を開発します。
  • 顔色情報に関する研究
    顔色は、最も身近な健康のバロメータの一つであるといえます。最近ではこれに関する研究も増えています。
  • 歩行音を用いた個人認証技術の開発
    誰が来たのか、足音だけでわかることがあります。それはなぜかを解明します。
 福祉エンターテインメント
  • ICタグを用いたバリアフリーゲームに関する研究
    障害者と健常者が平等な立場で同じ条件で遊ぶことが出来るゲームシステムを開発します。
  • エンターテインメント性を有する健康管理システムに関する研究
    健康管理のために、毎日検温、血圧測定、その結果の参照…。面倒で無味乾燥な行為を「楽しく継続できる」健康管理に変貌させるために…そんなシステムを開発します。
 ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
  • 拡大・代替コミュニケーション(AAC)に関する研究
    AAC (Augmentative and Alternative Communication) とは拡大・代替コミュニケーションの意味で、他者とのコミュニケーションに障害のある人たちを補助するのに使用されるさまざまな方法です。本研究では、その技術の変遷を調べる調査研究から、全く新しい手段の開発にいたるまでを行います。
  • 臨床で用いることを目的とした音声処理技術に関する研究
    話言葉に関する障害のことを「構音障害」といいます。障害の程度の定量化やリハビリテーション支援のための音声処理技術を開発します。
  • 視覚情報−聴覚情報相互変換に関する基礎的研究
    眼で見た印象を音に変換して耳で感じ取ることの出来る情報にするにはどうすればよいかを考えます。
  • 鼻形状の認識技術を用いたマウスに関する研究
    右を向いたり左を向いたりするだけで、マウスカーソルを動かす手法として、顔の中央にある鼻に着目しました。
  • 視線マウスの高度化に関する研究
    すでに、視線をマウスカーソルに対応させて、画面を見るだけでマウスを操作する手段はいくつか開発されていますが、より使い勝手の良い手法を考えます。
 その他検討中の課題
  • 携帯電話を用いたバイタルサインの簡易遠隔通信手法の開発
    携帯電話を持つだけで、各種バイタルサインを容易に遠隔地まで通信させる手段を開発します。