工学部電子機械工学科

2017.04.18

【研究紹介】分子動力学法によるシミュレーション解析

電子機械工学科 田中宏明教授の研究室では、研究の一環として、分子動力学法によるシミュレーション解析を行っています。

分子動力学シミュレーションとは、計算機シミュレーションの一種で物質の諸性質を調べる際に使われる手法の一つです。

解析の対象を原子で構成し、相互作用する個々の原子の動きを逐一求めることにより、通常の実験では観察することが難しいナノ秒かつナノメートルレベルの現象を明らかにできます。

以下の動画は、この数日ニュースで多く取上げられている「カーボンナノベルト」が「カーボンナノチューブ」に結合していく過程を、分子動力学法でコンピュータシミュレーション解析したものです。

 

 

 



カーボンナノベルトは6個の炭素原子がつながった正六角形の構造をベルト状にした分子で、名古屋大学が世界で初めて成功したと発表しました。

カーボンナノベルトは、約60年前に初めて存在が提唱されましたが、これまで合成例がなく「夢の筒状炭素分子」と言われていました。

カーボンナノベルトにさらに炭素原子を結合させる反応を繰り返すと、次世代ハイテク材料として注目をされている筒状の素材「カーボンナノチューブ」も生成できるといわれています。
カーボンナノチューブは、軽い上に鋼鉄の約20倍の強度があり、次世代材料として期待されていますが、これまでの製作方法では太さが均一にならない等の問題がありました。
今回、合成に成功したカーボンナノベルトは性質が均一なため、特定のサイズのカーボンナノチューブを自由に作れる可能性があり、軽くて頑丈な新素材の開発などにつながることが期待されています。


分子動力学法によるコンピュータシミュレーション解析を行った結果をみると、カーボンナノベルトが次々と結合してカーボンナノチューブが形成されていく過程を見ることができ、理論的にも欠陥の無いナノチューブの形成が可能であることを示しています。
 

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