2016.09.05
【卒業生インタビュー】パラ出場選手の指導も担当 水泳コーチ藤山さん
健康スポーツ科学科卒業生で、「伊勢湾マリン開発株式会社 津トップスイミングクラブ」で選手コース担当コーチとして勤務する藤山将哉さんに話を聞いた。
藤山さんは、2016年3月に本学健康スポーツ科学科を卒業し、三重県の「伊勢湾マリン開発株式会社 津トップスイミングクラブ」に就職し、指導部にて選手コース担当コーチとして勤務している。
幼児から小学校高学年までの一般のスクールと小学校低学年から社会人までの選手コースの指導を担当する。
選手コースには、全国大会に出場する選手や、今年9月7日に開幕する「リオ2016年パラリンピック競技大会」に出場する選手も在籍している。
「担当している選手がリオパラリンピックに出場することになったことはとても嬉しかったです。指導に携わったのは4ヶ月ですが、その期間に課題をクリアしてさらに力をつけてくれたと思います。」と藤山さん。
今年の春に練習をみはじめた際、身体の軸がぶれていることに気付き、体幹を鍛えるため、陸上での体幹トレーニングを新たに取り入れた。
その成果がでて、横浜で行われた日本代表合宿の際、代表コーチから「今までの泳ぎより身体の軸がぶれなくなった」といわれたと笑顔をみせた。
藤山さんは、物心ついたときから競泳をはじめ、自分には水泳しかないと進路を選択。
中学高校と選手として競泳を続け、大学進学後、怪我をキッカケに指導者の道を志した。
大学在学中から、母校である京都文教中学校・高等学校水泳部にて契約コーチとして、指導に携わっていた。そのときの経験が、現在に繋がっているという。
一方で中学生、高校生以外の指導は初めてで試行錯誤の毎日だ。
「小学生には噛み砕いて伝えます。社会人の方はこれまでの経験もありますので、そこを尊重した上で指導をする必要があります。
今回リオパラリンピックに出場する選手は知的障がいがあります。彼の特徴を把握した上で、さらに能力を伸ばすことができるような指導方法を考え実践しています。」
こども達や障がいがある方とのコミュニケーションや指導の際には、大学時代の教職課程での学びがいきているという。
「保健体育の教員免許取得の際に、介護等体験で障がい者の方々の施設での実習を経験しました。またジュニアスポーツ指導員の資格を取得した際の小学校実習もよい経験だったと思います。」
4年次の卒業研究は、『水泳の練習が中高生の心身状態に及ぼす影響』をテーマにした。
母校での中学生、高校生の指導経験を踏まえ、水泳選手を対象に練習内容、量と疲労感、モチベーション、睡眠や食事摂取の状態、怪我等の関連についてデータ収集・分析をし研究を行った。
「健康心理生理学を専門とする武田教授の研究室に所属していたのですが、生理学、運動生理学、基礎栄養学、応用栄養学演習等、スポーツ選手をサポートするための勉強ができました。心理的なサポートについて勉強できたことも力になっています。」
大学で学んだ知識を活かして選手の体調管理やコンディションを考慮しながら、練習内容を計画している。
今後の夢は、泳ぎの面だけでなく、人間性でも強い世界で戦える選手を育てること。
そして、どの選手、生徒も、水泳を生涯スポーツとして関わってもらえるような指導ができるコーチになることだという。
「彼がリオパラリンピックに出場が決まったことは、他の選手にも刺激になったようです。担当する選手が全国大会、国際大会へ出場できるようにサポートしていきたいです。」と力強く語ってくれた。
「まずは、リオパラリンピック。選手がベストな泳ぎができるように、コーチとしてしっかりサポートしたい。」
障がい者水泳の選手は、一人ひとり障がいの種類や度合いが異なる。
同行した日本代表合宿では、代表コーチに、現地で選手に合わせたサポートをして貰えるように、選手の特徴や性格を伝えた。
リオパラリンピックには同行できないが、万全の状態でリオへ送り出せるように、些細な変化にも目を配りながら、日々の練習の指導・サポートを行っている。
選手コース 指導中の様子
先輩の小山コーチ(左)と藤山さん(右)
藤山さんにとって、とても頼りになる上司という小山さん。
「藤山コーチは、対外試合にも引率してもらっていています。選手コースの対応も全部信頼して任せられる。よい雰囲気で指導してくれています。」