建築×情報テクノロジー
建築×情報テクノロジー

ICTやAIなど情報テクノロジーで、
大変革を迎える建築業界はどう変わる?

今、まさに情報テクノロジーによるイノベーションが進む建築業界。これまでは一つの建築プロジェクトの中でも建築主、設計者、施工者などさまざまな立場の人たちがそれぞれの業務を進めていたため、役割が見えにくいものとなっていました。その不便を解決するためのイノベーションの一つが、BIM(〈Building Information Modeling〉ビルディングインフォメーションモデリング)と呼ばれているプラットフォームの導入です。その他にも、さまざまな面において情報テクノロジーによる変革が見られます。もはや、これからの建築業界で活躍するためには、情報テクノロジーの知識や能力は欠かせないと言えるでしょう。

Case INTERVIEW まなびの紹介Case INTERVIEW まなびの紹介

BIMを活用できる人が、
これからの建築業界に求められる?

BIMとは、これまでは情報共有が縦割りであった建築工程を、設計から施工、建物の完成像そしてその後の維持管理までの情報を1つのデータベース上に集約・共有できるプラットフォームです。
BIMとICTの登場によって、建築に関わるあらゆる人たちが同じ情報を把握できることにより、部品の種類やそれぞれの値段が一目でわかるようになりました。また、いままでは完成しないとわかりづらかった建物の全体像が事前に掴みやすくなり、完成してみて「こんなはずじゃなかった」ということがなくなってきています。そして、完成後の建物の維持費の管理にも役立てられており、完成前、完成後と継続して活用できるのも大きな特徴の1つです。
BIMが日本で浸透し始めたのは2010年。国土交通省が建築建設プロジェクトをBIMで行うと発表したことがきっかけで、企業の導入が加速しました。これからはBIMを扱える人が今後ますます求められるようになっていくのではないでしょうか。

建築業界で、BIM以外の
情報テクノロジーはどんなものがある?

BIM以外にも、情報テクノロジーの活用はどんどん進んでいます。例えば、コンピュテーショナルデザインという考え方です。一昔前は、建物のイメージなどは手書きであり、かなりの時間がかかりました。しかし、今ではイメージの段階からコンピュータを使い、形にしていくことが増えたため、作業時間の短縮化だけでなく、手書きでは難しいデザインなどができるようになりました。
こうしたテクノロジーの発展により、建築士を横でサポートする「IT建築技術者」という役割も生まれています。VRを使って建築前に具体的イメージを見せるなど、これからの建築士にとって、情報テクノロジーが扱えること、デジタルシンキングできることはとても重要なスキルです。では、アナログの手法はいらなくなるのでしょうか。

スケッチや模型づくりなど、
アナログな手法は不要に?

手書きで建築イメージを書くことは基礎力として求められ、アナログのスケッチ、模型づくりなどの重要性は変わることはありません。なぜなら、コンピュータのみで作業をすると、建物のスケール感が失われてしまい、実際に建築した際に必ずおかしな所が出てきます。そのデザインが本当に正しいのか、自分の思い通りにできているのか、判断するために実際の模型づくりも欠かせません。リアルなものを見て、体感するアナログの手法はなくなることはないでしょう。また、建築士試験の製図では手書きが求められます。大阪電気通信大学では、試験対策という面でも、従来のアナログに対応できるカリキュラムも設置しています。

情報テクノロジーとアナログの
両方をどうやって学ぶ?

大阪電気通信大学では、アナログと情報テクノロジー、どちらの学びにも力を注いでいます。1年次では、スケッチや建物内部(階段や教室、トイレなど身の回りのもの)の実測など、建築基礎の感覚を磨きながら、コンピュータの基本的スキルや情報リテラシーも身につけていきます。もちろん、さまざまな講義の中でも、情報テクノロジーを用いた実例を出すなど、建築業界の先進性も学べます。
また、建築業界の出口は幅広く、建築設計以外にも設計前の企画や営業や現場監督、建築物の管理など多種多様な職種があることから、2年次後期からは、自分が何に興味があるのか将来イメージを描く「プレゼミナール」をスタートさせます。「プレゼミナール」では、学科内でグループを作り、8名のゼミ担当教員の高度な授業を3週間ごとにローテーションしながら受けられ、そこでの経験をもとにゼミを選択することができ、早期からさまざまな専門性に触れ、自分の将来をしっかりとイメージしながら学びに取り組めます。
情報や通信系に強い大学として、大規模なコンピュータ演習室や3D造形先端加工センターなど、情報テクノロジーについてのインフラはリッチに整っています。さらに、学生が自由に出入りでき、自分の設計課題や予習復習に取り組める多目的製図室(アトリエ)も特徴的です。学生一人ひとりが、自分の学びたいことに集中でき、夢中になれる環境と教員が揃っています。

工学部 建築学科 飯島 憲一教授
【今回インタビューに答えてくれた先生】
工学部 建築学科
飯島 憲一教授
大学院修了後、建築設計事務所にて27年間勤務し、構造設計、一貫構造計算システムや地震応答解析システムの開発などを経てBIMマネージャーに就任後現職へ。

FUTURE POSSIBILITY 将来、どう役立つのかFUTURE POSSIBILITY 将来、どう役立つのか

情報テクノロジーとアナログ。
双方の知識を兼ね備えた、
次世代の建築のプロへ。

建築と言っても、その業務内容は多岐に渡る業界です。企画、設計、施工、維持管理、それらの全体や流れを俯瞰して見ることができるという点でも、学生時よりBIMに触れるのは大きなアドバンテージになります。自分はどのような建築のプロになりたいのか、どのような道へ進みたいのか、将来像を具体的にイメージした上で、その目標に向かって進むことができます。建築のプロとして必要な従来のアナログ的な知識やスキルはもちろん、高度な情報テクノロジーについて学ぶことは、将来業界で働いて現場に役立つとともに、次世代の建築業界に関わる人材としての可能性をより広げてくれます。

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