NANKAKU Shigeki
総合情報学部 情報学科 教授
大学院 総合情報学研究科 コンピュータサイエンスコース 教授
組み込みシステム / リアルタイムOS / マルチコアプロセッサにおける相互排除
博士(工学)
九州大学

独特のピート臭が魅力のスコットランド・ウイスキー。なかでもアイラ島産のスコッチウイスキー(アイラウィスキー)で疲れをいやすのが至福の時。飲み方にもこだわりが。ソーダの上にウイスキーを注ぐウイスキーフロートがおすすめだそう。

ハードウェアとソフトウェアをつなぐ技術 
あらゆるデバイスに必須の組み込みシステム

1980年代から電気で動くさまざまな製品にコンピュータが登載されるようになり、以来、機器を制御する組み込みシステムの技術は発展を続けてきました。
南角研究室では、どんなデバイスにも欠かせない組み込みシステムのスキルを鍛え、多くのモノづくりエンジニアの卵を育てています。

さまざまな状況変化にリアルタイムに対応し
高い信頼性が求められる組み込みシステム

携帯電話などICTはもちろん家電、自動車、産業用ロボット、火星探査機までさまざまな機器には、制御に必要な小型コンピュータが登載されています。それを動かすプログラムが組み込みソフトウェアです。現実世界のさまざまな状況変化にリアルタイムに対応し、一定時間以内で確実に制御できることが重要。

たとえば打ち上げた人工衛星は無重力空間で回転を続けますが、組み込みシステムの指示により、各種センサーで位置や角度の誤差などを検知し、目的に応じたスラスターエンジンリアクションホイール(フライホイール)などの各種アクチュエータ(コンピュータの指令に基づいて動作を行う装置)を動かしながら、徐々に回転を止めていきます。地上に比べ、日なたと日蔭で200℃以上の温度差が生じる宇宙のような厳しい環境下でも、また車のエアバッグのように万が一の衝突の瞬間にも、一定時間以内で、確実に動作する信頼性が求められます。

南角研究室で取り扱う研究テーマは、身の回りのものから宇宙ステーションまでさまざまな機器に搭載される組み込みソフトウェア
宇宙のような厳しい環境下でも、組み込みシステムがあれば、各種センサーが検知する位置や角度の誤差などから目的に応じた各種アクチュエータを動かすことができる

リアル世界から情報を受け取るために
並行処理においてもより高度な制御が必要

組み込みシステムでは、複数のセンサーから現実世界の変化に応じた情報を随時受け取っています。それらに対応するため複数の処理を切り替えながら並行処理するマルチタスクOSが使われています。

南角研究室では、マルチタスクに欠かすことができない、排他制御を研究しています。排他制御とは、同じデータに、同時に複数の情報が書き込まれたときに発生する誤動作を防ぐため、一つの情報を書き込んでいる間は他の書き込みができないようにするための仕組みです。並行処理に伴ってバグが起こり得るさまざまなパターンを想定して、あらかじめそれを防ぐようなプログラムを設計するのがテーマ。さまざまな企業と共同で取り組むケースも含め、研究を進めています。

汎用OSと組み込みシステムにおける並行処理の違い

IoTの進展がもたらす夢の未来は
組み込みシステムの進化がものを言う!?

遠隔でどこからでも自由に操作できる家電、防犯から健康管理までしてくれるスマートハウスなど、IoTは私たちの暮らしを大きく変えています。センサーやデバイスから情報を集め作動させる組み込みシステムはその基幹技術の一つ。
ネットワークやAI、データサイエンスなどの分野と一緒に進化することによって、今までなかった製品やサービスが実現します。疲れたなと思った瞬間に目の前に空飛ぶタクシーが表れる、そんな未来も夢ではないかもしれません。

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