物質化学研究紹介教員紹介川口 雅之
教授 川口 雅之

1.カーボンアロイの作製とセンサ、キャパシタ、などへの応用


ホウ素/炭素/窒素からなる材料化学気相蒸着法
層状構造を有するグラファイトの炭素の一部を規則正しくホウ素や窒素で置換すると、その電子状態が変化し半導体的挙動を示すようになります。また、有害ガスを吸着したり、特定のイオンをその層間に挿入(インターカレーション)したりする材料にもなります。このような新しい材料を化学気相蒸着法(CVD法)や熱分解する方法等を使って作製します。これまでに、当研究室ではBC3N、BC6N、C3N2という新しい材料の合成に成功しました。
今後は特定のガスやイオンを検知する
センサ、ヘテロ原子によるイオンの捕獲を利用したキャパシタ、などへの応用を考えています。

ユニークな特性を有する炭素/窒素材料の合成と物性電気二重層
同じ炭素と窒素から成る物質でも、出発原料を選ぶことにより、組成や結晶構造の異なる材料となり、またそれに伴いユニークな特性が発現します。たとえば、C3N4に近い組成の材料は高硬度材料短波長光の発光材料として期待されます。トリアジン環を‐NH‐で架橋した材料は、新しいホスト材料となる可能性があります。また、出発原料を工夫し得られたナノメータオーダの細孔を持つ多孔質材料については吸着剤電気二重層キャパシタ(右図)への応用を検討しています。



2.ナノハイブリッド材料、単分子膜の作製と環境・エネルギー関連への応用
エネルギー関連への応用炭素系材料と酸化物・フッ化物セラミックスをナノメータサイズで複合化した
ナノハイブリッド材料を作製し、その特性を調べます。また、これらの材料をクリーンエネルギーの原料となる水素の発生・貯蔵に応用しようと考えています。これまでに割り箸の再利用を兼ねて、竹や木材とTiCl4の反応により光触媒能を有する材料の作製に成功しています。
また、ガラス基材などに新しい機能を持った単分子膜を付着させ、その特性評価を行う研究を企業の方と共同で実施しています。


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