数理解析研究紹介教員紹介竹居 正登
准教授 竹居 正登

確率論

スポンジのように,たくさんの穴が「でたらめに」あいているような物質には,水がどのようにしみこんでゆくのでしょうか.私はこうしたパーコレーション(percolation : 浸透)の問題を中心に研究しています.浸透そのものに限らず,果樹園での病気の伝染や電磁石における磁性の現れ方など,他のいろいろな現象とも関係しています.最近は,インターネットのような複雑なネットワークの性質に興味を持っています.


略歴
京都市生まれ.小さい頃はいろいろな電気製品に興味を持ち,将来電気に関係する仕事ができたらなあ,と何となく思っていました.中学に入ってクラリネットを始め,以来,音楽中心の日々が続きました.

大学は電気電子工学の学科に進みました.数学は苦手な方だったのですが,いろいろな授業の中でも工学で使われる数学の話に不思議と面白さを感じました.でも,後に数学を専門にするとは考えもしませんでした.

大学3年のときに,あるきっかけで偶然受けた授業が確率論で,ほとんど予備知識がなくても理解できる面白い話をたくさん教えてもらいました.大いに興味を持ち,とうとう数学を専門とするコースに進路を変更してしまったのです.

神戸でパーコレーションと呼ばれる問題について勉強し研究を始め,大学院修了後,港町つながりで(?)横浜に移って研究を続けてきました.


研究業績

  1. M. Takei ; A note on anisotropic first-passage percolation, J. Math. Kyoto Univ. 46, 903-912, (2006).

  2. N. Sugimine and M. Takei ; On the traversable length inside semi-cylinder in 2d supercritical bond percolation, J. Math. Kyoto Univ. 47, 153-167, (2007).


解説論文

  1. M. Takei ; AB percolation, The COE Seminar on Mathematical Sciences 2005, Seminar on Mathematical Sciences 36, 49-74, (Keio University, 2007).

  2. 竹居正登;ファーストパッセージパーコレーション入門,第3回生物数学の理論とその応用,数理解析研究所講究録 1551, 69-74, (2007).




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