森研究室 大阪電気通信大学工学部機械工学科 本文へジャンプ
現在の研究テーマ

1.新しいエネルギー源の発掘を目指して! 新エネルギー技術

 日本は世界第三位の地熱保有国であり,従来から地熱発電が推進されてきました.しかし,これまでの方法は地中に水を流し込み,蒸気を取り出す方法であるため,温泉や地下水への影響,地中から噴出する熱水や蒸気に含んでいる物質による腐食など,多くの問題がありました.
 本研究室では,ヒートパイプを用いて地熱エネルギーの取出す方法を提案し,解析と実験から地熱発電用ヒートパイプを用いた地熱発電法の提案を目指した研究を行っています.

2.エネルギー資源の枯渇防止と環境保全に必須な技術 省エネルギー技術

 省エネルギーには,新技術の開発と共に設備の高性能化が不可欠であり,企業と共同で研究を推進しています.
(1) 吸収式冷温水機の高性能化 吸収式冷温水機の構成要素である再生器の小型・高性能化には,難沸騰溶液の一つであるLiBr水溶液の沸騰熱伝達特性を向上させることが必要です.本研究では,伝熱面に特殊な加工を施すことによって,沸騰熱伝達特性の向上を目指す研究開発を行っています.
(2) 蒸気ラインにおける諸設備の高性能化と診断技術の確立 多くの生産プロセスでは,蒸気の潜熱を利用して物質の加熱が行われており,加熱装置の小型・高性能化には装置の上流で温水(ドレン)を蒸気から分離する必要があり,一般にはスチームトラップと呼ばれる気水分離装置が使用されます.本研究では,この装置の高性能化に加えて,音響や振動などから装置の状況を診断する新たな技術の開発を行っています.
(3) 蓄熱材を用いた廃棄熱の有効利用 蓄熱材をうまく活用することによって,熱を廃棄している設備から熱を回収し,熱を必要としているところに供給する熱輸送と,夏には蓄熱材に熱を蓄え,冬には蓄熱材に蓄えた熱で暖房を行う省エネルギー住宅の検討を行っています.

3.熱流動現象の解明

 多くのエネルギーシステムでは,様々な伝熱・流動現象が存在します.本研究室では,それらの熱流動現象を実験および数値シミュレーションを用いて再現し,それらの現象が生じる機構を明らかにする学術的な研究も実施しています.例えば,エネルギーの生産・消費プロセスでは,蒸気と水のように気体と液体の混合流体(気液二相流)が出現します.本研究室では,独自に開発した計測法と数値シミュレーションを用いて,気液二相流の流動機構を明らかにする研究に取り組んでいます.