同様に順方向バイアスを加えると、上図(b)を見ればわかるように、左のn-GaAlAsから活性層のGaAsに電子が注入されるが、右のp-GaAlAsの禁制帯幅が広く、GaAsとの間に電位障壁があるため、注入された電子は、右に拡散せず、活性層に閉じ込められてしまう。逆に左から、注入された正孔も同様に活性層に閉じ込められてしまうため、電流は活性層内で、電子と正孔の再結合によってのみ流れることになり、余分な、電流はほとんど流れなくなる。
すなわち、活性層の幅を狭くすることによって閉じ込められる電子と正孔の量を減らすことができ、しきい値電流密度を低くすることができる。
しかし、今のままでは、電流の注入方向に垂直な方向の屈折率は、変わらないため得られるレーザ光は、複雑な形状をした物になりやすい。

したがって、以下のストライプ構造のレーザが考え出された。


これは、Znを拡散させることによって、できる限り、この部分に垂直な方向にのみ電流を流すようにするための物である。こうすることによって、しきい値電流密度を高くし、しきい値電流自体を著しく低下することができる。
したがって、今まで得られなかったきれいな形状のレーザ光を得ることができる。
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