レーザ発振の原理

pn接合に順バイアスをかけることを考える。
順バイアスが低い間は、注入されるキャリアが少ないために、反転分布は、起こらず自然放射による発光が得られる。 順バイアスを高くしていくと、注入されるキャリアが多くなり、反転分布が生じ、誘導放射による強い発光が得られるようになる。
先に述べた共振器構造の中を往復する間に透過、吸収、散乱などの損失を誘導放射による利得が上回ると、共振状態になり発振が始まる。

半導体レーザの問題点

光の増幅度が小さいとき発振させるためには、大きなしきい値電流を必要とする。
そして、しきい値電流密度は、温度上昇とともに大きくなる。
すなわち、pn接合に電流を流して、キャリアを注入すると接合部での温度が上昇する。そうすると、しきい値電流も大きくなるので、さらに電流を大きくしなければならない。そうなると、また、温度上昇につながり、この悪循環によって発振が起こらなくなる。

室温で、連続発振させるための改善策