ゲーム×情報テクノロジー
ゲーム×情報テクノロジー

あらゆる先進技術が駆使される
ゲームの世界。
情報テクノロジーによって、
どのように
進化していく?

技術の進歩とともに、ゲームの遊び方も、作り方も大きく変わってきました。オンラインゲームやスマホゲーム、VR・ARゲームなど、これまでにないカタチでより幅広い人たちに楽しまれ、またesports(eスポーツ)やゲーム実況動画など、エンターテイメント性の高いコンテンツとしても再評価されています。作り手側もあらゆる先進技術を取り入れ、よりハイレベルなゲームを開発するとともに、ゲームの可能性も広げています。

Case INTERVIEW まなびの紹介Case INTERVIEW まなびの紹介

高度ネット社会やAI技術により、
ゲームの内容はどう変わったか?

ゲームはインターネットにつながることで飛躍的に発展しました。
まず、いつでも、どこでも、世界中の誰とでも遊べるようになりました。以前からゲームではプレイヤー側の情報、つまり、プレイヤーのゲームスキルや進行状況をゲーム内で取得し、ゲーム内容をリアルタイムに変化させることをしばしば行ってきました。いわゆるメタAIと呼ばれるシステム設計思想ではプレイヤーの残体力や操作内容を取得し、敵の配置やアイテムのドロップ率などを変化させユーザーごとに楽しいと思える体験を用意しています。そういった仕組みに加え、近年ではネットワークを介して「他ユーザーの情報を活用する」ような試みが増え、新しいユーザー体験につながっています。例を挙げると、他ユーザーの攻略情報がゲーム中に反映されて攻略のヒントとして使えるようになったり、戦績を比較し励みにしたり、他ユーザーの選択がゲームそのものを大きく変えるダイナミックな仕組みがあったりと、個人プレイが前提だったゲームがネットワークを活用する事で多数のユーザーがつながり、社会性も帯びるようになりました。
今後、インターネット環境もより高速化、大容量化が進めば、ますますあらゆる人が、あらゆる場所でゲームを楽しむようになることでしょう。関連する情報テクノロジーについての知識やスキルは、将来、ゲームに携わる者にとっても新しい体験を生む手がかりとして非常に重要になっていきます。

最新の情報テクノロジーが活用される
ゲームの開発現場。
将来、ゲームはどうなる?

現在、ゲーム制作にはたくさんの情報テクノロジーが活かされています。AIや高速通信などはもちろんのこと、最近では、ゲーム中のプレイヤーの視線や脳波なども測定し、ゲーム画面のどこに必要な要素を表示すれば良いのか、どういった場面や状況の際に敵を出現させれば驚くのか、といったデータを取得することで、ゲームをより良い形に改善する調整作業に役立てています。プレイヤーの生の情報を反映していくことで、ゲームはより面白くなっていくでしょう。また、VR(仮装現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)といった現実社会と組み合わせるゲームも続々と生まれています。今後、スマホをはじめとするウェアラブル装置の進化とともに、手元から目元、脳内へと、カタチを変えながらも、健康や安全性に配慮しつつゲームはますます日常の中に入り込んでいくことでしょう。

情報テクノロジーが進む中で、
ゲーム制作に携わる者にとって
必要なこととは?

ゲームは、プレイして遊ぶだけでなく、ゲームを中心に人々が集まり、一緒に楽しむ力を持っています。近年、世界規模で盛り上がりを見せるesportsやゲーム実況動画は、まさにゲームが持つコンテンツ性、娯楽性が改めて評価されたものと言えるでしょう。
今後どんなに情報テクノロジーが進化しても、ゲームづくりの根本は「人をどのように楽しませるか」を考えること。そのための発想力や表現力、伝達力が求められることは変わりません。アイディアを載せるゲーム手法や内容は、情報テクノロジーの進化とともにどんどん変わっていきます。その際、新しい技術は何が得意で、何が不得意かという判断をするためにも情報テクノロジーについて学ぶことは必須です。変わらないものと、変わっていくもの。これからのゲーム制作に携わる者にとって、この両面を磨いていくことが大切になります。

ゲームクリエイターをめざす者に
とって、
どのような学びが必要?

大阪電気通信大学には、プロの制作や先進的な研究の場として活用される先端マルチメディア合同研究所(JIAMS)があります。モーションキャプチャースタジオをはじめ、CGスタジオや映像・音像編集スタジオなど、ゲームづくりに必要な設備が揃い、授業ではもちろん、実践的なプロジェクト活動にも活用されています。具体的な学びとしては、「ゲーム制作入門実習」など、簡易的にゲームづくりを一通り体験してもらう授業があります。合わせて、制作素材の著作権や表現上の注意点など、制作者として必要な情報リテラシーについても教えることで、単純に作るだけではない、様々な側面からクリエイターに必要なスキルを学ぶことが可能です。さらに、プロジェクト活動では、学生がプロスタッフの協力のもとデジタルコンテンツを制作する「電ch!」プロジェクトを展開。最近では、3Dバーチャルアイドルを制作し、バーチャルYouTuberとして配信。モーションキャプチャーで撮影したり、リアルタイム配信の運営をしたりと、より実践的な体験を学んでもらえます。その他にも、世界最大規模のゲーム展示会「東京ゲームショウ」や京都で開催される日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit」に学生作品を出展するなど、生のユーザーの反応に触れ、活かしていく取り組みにも力を注いでいます。実際の現場における情報テクノロジーを扱う力と、ゲームづくりにおいて大切な、いかに人を楽しませるかということを、徹底的に追求できる環境にあると言えます。

総合情報学部 デジタルゲーム学科 森 善龍特任准教授
【今回インタビューに答えてくれた先生】
総合情報学部 デジタルゲーム学科
森 善龍特任准教授
2010年、総合情報学部メディア情報文化学科(※現デジタルゲーム学科)卒業。同年、大手ゲーム制作会社入社。様々なコンシューマーゲームに加え、VRソフトの開発・制作などに携わる。2019年4月より現職。

FUTURE POSSIBILITY 将来、どう役立つのかFUTURE POSSIBILITY 将来、どう役立つのか

情報テクノロジーの進化により広がる
ゲームの可能性。
あらゆるフィールドで活躍する
次世代型の
クリエイターへ。

情報テクノロジーの進歩とともに、ゲームの可能性はますます広がっていきます。より面白いものへ、より多くの人が楽しむものへと。ゲームはもはや遊ぶだけのものではなく、人と人をつなげるコミュニケーションツールとして、その存在価値を高めていくことでしょう。今も昔もゲームは友達と遊ぶためのコミュニケーションツールであり、コミュニティを作るための核になりうるものです。
さらに今後はゲームがプロモーションツールや教育ツールとしてビジネス分野や教育分野などに活用されることも考えられます。ゲームづくりの根底である人を楽しませることは変わらないものの、情報テクノロジーをいかにうまく使いこなし、活用していくかは現場で活躍する者にとって必須の命題です。あらゆる可能性を秘めたゲームの世界において、存分に技術の特性を発揮し、さらに進化させていく次世代のクリエイターの登場を我々も全力でサポートしていきます。

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