基礎科学研究紹介教員紹介奥村 康昭
教授 奥村 康昭

 鉄腕アトムや鉄人28号の漫画を子供の頃見たり,エジソンの伝記を読んで研究者にあこがれ,大学卒業と同時に本学の助手になりました.最初に担当をしたのは物理学実験ですが,琵琶湖の環境計測に興味を持ち,湖水の流れを計る流向流速計の開発を始めました.
そして,流れと密接に関係している風の観測をするための測定器の製作も手がけ,ブイ式の気象ステーションも作りました.今では,琵琶湖にどっぷりとつかり,流れや風の観測だけではなく,水質の観測もしています.そのために,月に一回は琵琶湖へ暑いときも,寒いときも,雨の時も,雪の時も出かけていきます.この仕事は滋賀大学と共同で行っていて,滋賀大学の調査艇に乗って,琵琶湖中を走り回り,水温や濁りの観測を行います.

ブイ

 上の写真は観測艇から見えたびわ湖にかかる虹です.これから向かう方向で小雨が降っていることを示しています.
 右の写真はブイ式の気象ステーションです.

 観測法には,調査艇で走り回って行う方法と,一点にじっとしていて流れてくる水の状態を調べる方法があります.じっとしていて調べるためには,測定器を湖に固定する必要があります.現在,水中のクロロフィルの濃度と酸素の濃度を調べる機械を水中に沈めています.このように水中に沈めて測定する定点を係留線と言います.

 学生とは,クルーレスソーラーボートや気象観測計,風力発電,ソーラークッカーを作っています. クルーレスソーラーボートとは,太陽電池を動力源にして,GPSとコンパスを頼りに,決められた地点を無人通過していくボートです.毎年夏に琵琶湖で競技会があり,出場していますが,上位入賞が目標です.

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気象観測計は,実験センターの屋上に気象センサーを置き寝屋川学舎の気象観測を行おうとする物で,ワンチップマイコンでデータの取り込みをしています.研究室へは無線でデータを伝送することを計画しています.風力発電は,小規模な物ですが,ローターを作ったり,プロペラを作ったりして,携帯電話の充電が出来れば良いなと考えています.しかし,寝屋川学舎では発電に適した風が吹きません.左の写真は2005年度の卒業研究生が製作したソーラーボートで,びわ湖で航行している様子です.


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 ソーラークッカーとは,太陽熱で直接調理する機器であり,燃料を使わなくても煮炊きできるものです.夏には,ホットケーキが焼けるほど温度が上がります.発展途上国では、薪で煮炊きをすることが多いのでそれが森林破壊につながっています.ソーラークッカーを使えば少しでも薪を使うことが減らせ,森林の保護に役に立ちます.右の写真は2005年度の卒業研究生が作ったソーラークッカーで,これを使って調理をしたところ,1時間くらいでゆで卵を作ることが出来ました.

下の写真はカンボジアで水質調査をしているところです.
水質調査


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