1対1の通信
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1対1の通信 (メールとトーク)
私たちは、ある個人が別の個人に面と向かって会話するように通信すること、つまり対話のことを1対1の通信と定義します。人々と付き合うための常識的な礼儀作法は、一般にどんな場合でも尊重するべきですが、インターネットの場合には、身振りや声の調子を推測させることしかできないなどの理由から、その重要性が倍増します。メールやトーク(会話)を通じたコミュニケーションのネチケットについてもっと知りたい場合は、推奨文献目録の参考文献[1,23,25,27]を参照してください。
利用者のガイドライン
メールのガイドライン
- あなたが暗号化装置(ハードウェアかソフトウェア)を使っている場合を除きインターネット上のメールは安全ではないものと考えておかなければなりません。あなたが葉書に書かないようなメッセージ〔クレジットカード番号やパスワードなど他人に知られたくない個人情報や非公開情報など〕は決してメールに含めてはいけません。
- あなたが複製する文書については、その著作権を考慮に入れましょう。ほとんどすべての国では著作権法が制定されています。
- あなたが受け取ったメッセージを他人に転送したり、再投稿する場合には、元の言葉遣いを変えてはいけません。あなた宛の個人的なメッセージを、あるグループに再投稿する場合には、あらかじめ発信者に再投稿の許可を求めておかなければなりません。メッセージを短縮したり、関連する部分だけ引用しても構いませんが、適切な出典〔もとのメッセージや発言者が特定できるような情報〕を必ず示しましょう。
- メールでは、絶対にチェーン・レターを送ってはいけません。チェーン・レターはインターネットで禁止されています。あなたのネットワーク利用権は無効にされるでしょう。もしあなたがチェーン・レターを受け取ったならば所属組織のシステム管理者に連絡してください。チェーン・レターとは、幸福の手紙(不幸の手紙)のように別の人に同じ内容を転送することを要請する内容の手紙です。理由の如何を問わず禁止されています。
- ある経験則:送信する内容には慎重さを、受信する内容には寛大さを心がけましょう。たとえ挑発されても、「フレーム」と呼ばれる激情的なメッセージを送ってはいけません。一方、もしあなたが激情的に非難されても、驚いてはいけませんし、フレーム・メッセージに対しては応答しないのが賢明なやり方です。
- 一般に、メッセージに応答する前に、あなた宛に届いた全部のメールについて、最低限サブジェクト(題名)だけでも点検しておくことは賢明です。時々助け(または確認)を求めて質問した人が、「気にしないでください」という内容の別のメールを送ってくることがあります。また、あなたが応答しようとするメッセージが確実にあなたに向けられたものであるかどうか確かめましょう。あなたが、主要な受け取り人ではなく、cc: されただけである場合もあります。〔cc: とは、同じ内容のメールを(参考のために)別の人に転送することを指定するためのメールのヘッダ。カーボンコピーの省略〕
- 受け取る相手に対する気配りを心がけましょう。多くのメールプログラムはあなたの差出人アドレスを含むヘッダ情報をはぎ取ってしまいます。あなたが誰であるか他人に確実にわかるようにするために、あなたのメッセージの終わりに1行か2行の連絡先情報を必ず入れましょう。事前にそのファイルを作っておいてメッセージの最後に付け加えることもできます。いくつかのメールプログラムは、自動的にやってくれます。インターネット用語では、これは「.sig」とか「署名(シグチネャ)」ファイルとして知られています。あなたの署名ファイルは、名刺の代わりになります。また、状況によって複数の署名を使い分けることもできます。
- メールのアドレスを書く時には慎重にしましょう。個人のアドレスのように見えても、実はあるグループに送られるというアドレスもあります。誰に送ろうとしているのかを知っておきましょう。
- 返事をするときには、cc: の宛先に気をつけましょう。メッセージが1対1のやりとりになるときには、他人を巻き込み続けてはいけません。
- 一般に、インターネットを使うほとんどの人々には、インターネットやその働きについての一般的な質問に答えている暇がありません。メーリングリストで名前を見かけた人に、許可されてもいないメールを送って情報を求めるようなことをしてはいけません。
- あなたが交信する相手が住んでいる地域は、世界中に広がっていることを覚えておきましょう。至急返事が欲しいメッセージを送る場合、それが相手に届く時には、相手は家で寝ているかもしれません。メールが届いていない、とか、相手が無視したと思う前に、相手の人が目を覚ましてコンピュータにログインするために必要な時間的余裕を与えてあげましょう。
- 長い論説や個人的な論述を出す前に、全文章〔と宛先〕を点検しましょう。また、サブジェクト・ヘッダに「Long(長文)」という言葉を含めておくと良いでしょう。受け取り人は、メッセージを読むのに時間がかかることがわかり、対応することができます。通常、100行を超えるメッセージは長文と考えられています。
- 困ったとき誰に助けを求めれば良いのかを調べておきましょう。通常、あなたの手の届く近さに情報資源があるものです。サイバーメディアセンターであれば自分の近くにいるSA(Student Advisor)やTA(Teaching Assistant)に聞きましょう。また、あなたが何か疑わしいもの不法なものを受け取った場合にもSAやTAに連絡すれば良いです。見当たらないときには、ニュースの ECIP.trouble に記事を出して助けを求めることができます。
- 受け取り人は、文化、言語、ユーモアの基準があなた自身と著しく異なっている人である可能性を忘れないでください。日付の書式や、計測単位、慣用語は地域によって異なるものだということを忘れないでください。特に、皮肉〔いやみやあてこすり〕には注意してください。
- 〔英語の場合〕大文字小文字を混ぜて使いましょう。UPPER CASE LOOKS AS IF YOU'RE SHOUTING. のように大文字だけで書くと、あなたが大声で叫んでいる〔シャウトといいます〕と見なされます。本当に必要な時以外にシャウトを使うことは、読み手にとってとても迷惑なこととされています。
- 強調のためにはシンボル記号を使いましょう。That *is* what I meant. の *is* のようなもののことです。下線 (アンダーライン) には、アンダースコア記号 "_" を使いましょう。_War and Peace_ is my favorite book. のように書きます。
- 声の調子を表わすためにはスマイリー (顔マーク) を使いましょう。ただし控え目に。:-) は、スマイリーの例です(横に見てください)。ただし、スマイリーをつけておくことで、受け取り人があなたの言うことに満足するとかほかの侮辱的な言葉を拭い去る効果があるなどと期待してはいけません。
- メッセージに対して感情的な応答をする時、送信の前に一晩待ってみましょう。あなたがその問題について本当に強い思いを持つならば、FLAME ON/OFFで囲ってから、それを表現しましょう。次はその例です:
FLAME ON
この種の抗議を送るのは、ネット資源の無駄遣いだ。非論理的で
理性に乏しい。ほかの人は世界中みんな私の味方だ。
FLAME OFF
- MIME形式のものか、メーラがエンコード〔文字コード変換〕するものでない限りメッセージの中でコントロール文字や非アスキー形式データを含めてはいけません。エンコードしたメッセージを送る場合は、受け取り人がデコード〔解読〕できることを確認しておきましょう。〔日本語の場合、半角カナやシフトJISコードの文字がこれに該当します。このほか、JIS未定義領域文字は機種に依存しますので相手の機種 (環境) に配慮する必要があります。また、サイバーメディアセンター以外の人に出す時には必ずテキストメールで出しましょう。
- そっけなさすぎることがない程度に簡潔な表現を心がけましょう。メッセージに応答する時には、理解するために十分なだけのオリジナルの文書を含めておき、それ以上の部分は省略しましょう。ある1つのメッセージに返答するだけのために、前のメッセージの全文を引用して含めるのは、非常に悪いやり方です:無関係な部分はすべて削除しましょう。
ただし、日本に限ってビジネス関係のメールは、全文を引用する悪癖が通例になっています。というのも、文責に対する感覚が皆無に近いので、自分の発信したメッセージを保存していない人が多く、部分的な引用では前後が分からない人が多いからです。
- 1行の長さは、半角70文字未満に制限し、1行の終わりには1つの復帰改行(キャリッジリターン)を入れましょう。
- メールには、メッセージの内容を反映するサブジェクト(題名)ヘッダをつけなければいけません。また、古いメーラを利用している人のことも考慮してサブジェクトヘッダはすべて英語またはローマ字で書きましょう。どうしても日本語を利用したいのでしたら、
Subject: Kinkyu-jitai / 緊急事態
というように併記するのがお勧めです。
- 署名をつける場合署名は短くしておきましょう。経験則では4行以下です。多くの人が、1分毎に接続料金を支払っていることを忘れてはいけません。あなたのメッセージが長ければ長いほど、彼らはたくさん支払いをしなければならないのです。サイバーメディアセンターでは、センターが全部肩代わりしてくれていますので、我々が直接払うことはありませんがサイバーメディアセンター以外に出すときにはくれぐれも注意して下さい。
- 今日の手紙が私的なものではないかもしれないのと同様、メールやニュースは偽造をされたり、さまざまな程度の異常探知をごまかす操作を受けるかもしれません。あるメッセージが本物だと思い込む前に、常識の現実性チェックを適用しましょう。
- メールメッセージを受け取ったとき、メッセージの重要性から判断してそうするのが妥当だと思った場合には、直ちに短い返事を送り、送信者にあなたが受け取ったことを伝えましょう。たとえ後でもっと長い返事を書くつもりでいたとしてもです。
- メールを経由した何かの行為において「合理的に」期待できるものは、相手とあなたとの間の関係やその通信の状況に依存します。特別なメール環境で身につけた標準は、インターネットを経由した一般的なメール通信には適用できないかもしれません。俗語的表現や内輪の省略語に注意しましょう。いわゆる「女子高校生の会話」が一般の日本人に通じないのと同じです。
- メールメッセージを配達するのにかかるコストは、平均すると、その送り主とその受け取り人(あるいは、彼らの組織)がだいたい等しく負担します。これは、通常郵便や電話、テレビ、ラジオのような他の媒体とは異なっています。また、誰かにメールを送ることで、ネットワークバンド幅やディスク容量、CPU処理量のようなその他のコストを相手に負担させているかもしれません。これは、頼んでもいない広告が歓迎されない(そして、多くの状況において禁じられている)ことの基本的経済的な理由です。
- あなたが送ろうとするメッセージがどれだけ大きいのかを知っておきましょう。画像ファイルや音声ファイル、アプリケーションプログラムなどは、あなたのメッセージを非常に大きくし、大きすぎて配達できなくなったり、あるいは少なくとも過大な資源を消費してしまうことになります。経験則は、50キロバイトよりも大きいファイルを送らないことになっています。他の方法でファイルを転送するとか、より小さい部分に分割して別のメールとして送ることを考えましょう。
また、最近のメールプログラムは簡単に画像や音声、アプリケーションプログラムなどを送ることができますが、ちょっとしたものでも200キロバイトを軽く越えますので注意が必要です。HTMLファイルを添付することが標準となっている不親切なメールプログラムもありますが、それを利用したい場合、相手も同様のメールプログラムを利用しているか、あるいは何らかの補助作業で読めるかどうか確認しましょう。
- 頼まれてもいない大量の情報を他人に送ってはいけません。
トークのガイドライン
トークは、2人の人がコンピュータネットワークを通して会話的な対話を持つことができるシステムです。簡単に言えば、文字による電話のようなサービスです。
- 交信を打ち切る前には、常に「では、切ります」などのお別れの言葉を言い相手からのお別れの言葉を待ってから切りましょう。
- トークというものは、相手の作業に対するある種の妨害活動であることを覚えておきましょう。使うのが適当な時だけに使いましょう。そして、赤の他人に無理矢理トークしてはいけません。
- 返事がない場合、その理由はいくらでも考えられます。何もかもがうまく作動していると思ってはいけません。トークサーバーの不調や、単に相手が自分の作業に集中して答えたくない場合等があるからです。
- トークでは、あなたのタイピング能力がわかります。あなたのタイプ入力が遅いとか、ミスタイプをした時、多くの場合、修正に時間をかける必要はありません。あなたが何を言いたいかは、たいてい相手側でわかりますから。
- 複数のトーク交信をしようとするときには、送信先を混乱しないように慎重に行いましょう。