全学的な取り組みとして立ち上げられた「OECU eSports」
その目的や活動内容について、プロジェクトに参加する3名に語っていただきました
いしぜきesports(eスポーツ)は「エレクトロニック・スポーツ」の略で、ゲーム対戦をスポーツ競技として捉える際の名称です。大規模な大会が開かれる等、近年世界中で大流行しています。そんな中でOECU eSportsをつくった背景には、esportsをスポーツとして、またエンタテインメントのひとつとして発展させていきたいという思いがありました。現在はesportsという言葉が一人歩きしており、まだ地盤ができていない。他のスポーツは大会があったり、会場があったりしますが、esportsではそれがまだ十分に整備されていない状況です。また、そうした下地ができたあとに、どのように動かしていくのか。esportsイベントの企画・運営ができる人材は多くないですし、いまの時代、Webでどう配信していくかも考えなければなりません。OECU eSportsは、これら企画、配信、そしてプレイヤーの3つの軸での人材育成を通じて、esportsの発展に貢献することをめざしています。
牧世界でのesportsの盛り上がりはすごいですね。全世界で競技人口は1億人を超え、観戦者も4億人以上いるとされています。数億円の賞金がかけられる大会もあり、非常にスケールが大きいです。国内でも2018年に日本eスポーツ連合(JeSU)ができてたくさんのイベントを行っていますし、大企業もスポンサーとして続々と参入し始めています。現状はまだ試行錯誤の段階だと思いますが、今後の展開が楽しみです。
いしぜき本学のOECU eSportsの特長としては、学内に専用のスタジオがある点が挙げられます。日本の大学でスタジオを持っているのはまだ本学だけ。とても先進的な取り組みです。今後はここを拠点とし、大学のみならず地域・企業連携の場としても活用し、esports全体の発展に寄与したいと考えています。
山口スタジオがない学校だと、近くのesportsカフェやネットカフェに通って練習することがあります。その点学内にスタジオがあると、練習をやりたいときにできる。金銭的な負担がないのもメリットですね。プレイヤーにとって非常にいい環境が整っていると思います。イベント運営チームに関しても、リハーサルや配線練習をこのスタジオでできますし、片づけなくてもいい。スタジオができるまでは、部分リハーサルといってミキサーのところだけを組むといったことも多かったので、スタジオでカメラの配線も含めた全体リハーサルができるのはうれしいです。
キャンパス内のスタジオにはハイスペックPCや
ゲーミングチェアの他、配信用の設備もそろう
いしぜきOECU eSportsは学生主体が原則。学外から多数の人が参加したShadowverseのイベント等も、学生のみなさんにメインで運営してもらっています。お膳立てはしますが、それ以降は口を出ずに現場任せで。
牧わたしは就職活動の面接時にも、このプロジェクトの活動について話しました。企画を組むところからしっかり実行に移すところまで、学生が主体となって全部できた、と言えた点は評価されたのかなと思います。
いしぜき座学や学内でのプロジェクトはよくあるかもしれませんが、本学の場合は外に出る。たとえばデジタルゲーム学科、ゲーム&メディア学科の3年次にも「社会プロジェクト実習」という、企業や市区町村と取り組む授業がありますが、大学外の人と一緒に何かをやる、というのは全然違った学びが得られます。
山口高校まではゲームをプレイして楽しむ側でしたが、大学に入学してはじめてesportsのイベント運営に携わり、スタッフと協力しながらつくり上げることが楽しくなりました。個人でイベントを請け負うことから始めましたが、会社組織でないと難しいこともあり、株式会社PACKageをつくりました。わたしの目標のひとつとして、会社の上場があります。いまesports人気を追い風に仕事の依頼が増えています。esportsの分野で利益を出して上場している会社は世界でもまだない。そこをめざしたいですね。その頃には、esportsが国際的にも国内でもしっかりした地位を確立できているのではないかと思います。
様々なイベントを経験する中で運営ノウハウや配信技術を磨く
牧人を楽しませるのがすごく楽しくて、その一環としてesports等いろいろな活動に参加してきました。将来的には「人を楽しませるならこの人」と言われるようなプロデューサーになっていきたいですね。技術の進化によって、ゲームの概念やかかわり方は今後もどんどん変わってくると思います。そんな変化の中で、人を楽しませるようなコンテンツを生み出し続けていきたいです。