理事長挨拶

[理事長]成瀬 淳

人間力と技術力を
備えた人材を育成いたします。

20世紀の後半は、エレクトロニクスやメカトロニクスなどのハードウェアの急速な進歩、並行して生起したソフトウェアの領域を核とする先端技術の驚異的な発展、すなわちハイテクノロジー革命が起こりました。このハイテクノロジーの進歩がIT革命、さらにブロードバンド・デジタル時代となって、21世紀の社会全般に情報文化の大きな潮流を作りました。例えば80年代半ばまで主流であったメインフレームコンピューターが衰退し、今世紀になってパソコンからタブレットへ、ガラケーからスマホへと目まぐるしく変遷したことが我々の脳裏に鮮明に刻まれています。

このような産業界の変化に対応して、特に基盤テクノロジーを支える有能な人材の確保・育成が各企業や研究機関にとっての死活問題になっています。そして従来型にはまった教育、教員からの一方的な講義で知識を与えるといったやり方では、創造性豊かな人材を育成することが困難であるという事が明確に認識され始めています。“スティーブジョブズのような人材はどのようにして育成できるのか”という議論が内外の大学でも真剣に議論されていますが、彼のような成功した技術者の中には大学中退経験者が少なくありません。つまり、これは従来型の偏差値に基づく価値観や知識伝達型の高等教育には限界があるという事を如実に示しているものだと言えます。

私どもの学園は戦前(1941年)に電気通信技術の学校として発足し、1951年には高校を、そして1961年に大学を設立いたしました。高校は設立当初電子工業に特化していましたが、その後普通科を加えてコース選択の幅を広げると共に、現在では大阪電気通信大学の学びに直結したコースも備えています。

一方、大学では設立当初工学部電子工学科、翌1962年には同学部通信工学科を相次いで開設し、その後他の工学分野にも領域を広げ、現在では工学部、情報通信工学部、医療福祉工学部、総合情報学部、金融経済学部に大学院を加えた体制にまで教学領域を広げて参りました。

この間、学園の総力を挙げて「人間力と技術力を兼ね備えた人材の育成」をミッション※1とした実学教育に邁進し、高校、並びに大学から既に多くの卒業生を社会に送り出してきました。そして同窓生の皆さんの産業現場での活躍ぶりと優れた功績について社会の方々から高い評価をいただいていることは本学園の大きな誇りであります。

我が国の産業経済会の要望に呼応して、多様性を享受でき且つ社会的責任を持ち、正しい価値判断のできる人物を継続的に輩出してゆくことが本学園の使命だと私は考えております。これを実現してゆくために、教職員全員が、学生・生徒の力を信じて共に成長できる場をつくりつつ、健全な社会形成に貢献すべく、今後も継続して研鑽に励んでいくこと、そして皆様と一緒に将来へ向かって歩んでいくことをお約束して私のご挨拶といたします。

※1 本学園のミッション・ステートメント:人間力と技術力を磨き、自らの力で前進できる人材を育成・輩出します。

成瀬 淳