サイトマップアクセス問い合わせ
TOP>研究・産学協同>毎月更新 最新研究
2009年3月

カウンセリングを科学する

小森政嗣(准教授)

心理カウンセリングの現場でいったい何が起こっているのでしょうか?

コンピュータを使った映像解析で,心理カウンセラーとクライエント(相談に来た人のこと)の体の動きの関係を調べた我々の研究が「こころの科学」誌の連載『心理臨床で何が起こっているのか』(桑原知子)で紹介されています.

相互作用をしている2者の体の動きはリズミカルに同期することが知られています.この現象を専門用語では「同調傾向(シンクロニー)」と言います.この研究では,カウンセリング場面の映像をコンピュータを用いて自動的に解析することで,カウンセラーとクライエントの体の動きのシンクロを調べました(図1).

 

図1.模擬カウンセリング場面(画像処理されています)

カウンセラーとクライエント,二人の体の動きの関係を移動相互相関という方法を使って調べました.右に示した図は高い評価をうけたカウンセリング事例の移動相関係数を示した図です.

見にくいかもしれませんが,時間遅れ0.5秒のところに赤い縦線が1本のびているのがわかると思います. これは50分間のカウンセリングの間,カウンセラーはクライエントの0.5秒後に動いていたことが示しています.つまり高い評価をうけたカウンセリング事例ではカウンセラーはクライエントの動きの直後に動いていることがわかります.一方,評価の低かったカウンセリング事例では,二人の体の動きに明確な関係は見られませんでした.

この結果は,「同調傾向」はカウンセリングの良し悪しとはどうやら密接に関係があるようだということを示しています.

詳しくはこころの科学142号をご覧ください.

 

相互移動相関
図2 カウンセラーとクライエントの
体の動きの相関関係の一例





このページのTOPに戻る


TOP>研究・産学協同>毎月更新 最新研究

サイトマップアクセス問い合わせ
  〒572-8533 大阪府寝屋川市初町18番の8号  TEL (072)824-1131(代表) FAX(072)824-0014(共用)