研究内容
カプセル内視鏡映像における適応的表示速度制御方式 |
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カプセル内視鏡で撮影された8時間映像を,病巣を見落とさずに注視し続けるのは医師にとって負担である. 現状では,画像描画速度を手動で変更し,早送り・スロー再生によって診断するため,熟練者でも45分以上, 初心者では2時間程度の診断時間を要している.そこで,ビデオ表示速度を画像処理によって適応制御し, 煩雑な手作業を軽減することで短時間の診断が可能となる支援ツールを実現する.本研究では, 連続する画像の特徴量である隣接画像間類似度と移動量から,映像取得時におけるカプセルおよび小腸の状態を分類し, 状態によって描画速度を決定する.その状態判定と速度決定には多くのパラメータを含むため,複数の医師の評価から 最適なパラメータを決定する.結論として,8時間映像を適応制御による30分程度の表示でも診断可能になり, 平均再生速度15倍速を達成した. |
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小腸カプセル内視鏡画像の状態解析 |
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小腸は収縮と開放を繰返し,消化物を先へ送る蠕動運動を行う.カプセル内視鏡で撮影された8時間映像は, 非常に類似した画像が繰返して現われ,画像の見え方で小腸の状態を分類できる. そこで,画像を主成分分析し,その主要な成分で表したのが左図である. あらかじめ,目視で小腸の状態を分類しておくと,図のように分類した画像は主成分要素の散布図上で,クラスタを形成することが 確認できた. |
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テクスチャ画像領域分割 |
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テクスチャは自然画像において基本的な特徴で,テクスチャ特徴量を基にした画像の領域分割は, 画像理解における重要な技術である.テクスチャは近傍の画素成分が類似した小領域(テクセル)が折り重なって構成されるが, テクセルの大きさは,テクスチャ固有でなく視点からの距離にも依存する.そこで,ハールウェーブレットの多重特徴解析を用いて, 隣接する小領域の解像度を考慮した併合を行うことで,スケールが徐々に変化するテクスチャ領域の併合を実現した. (より詳しくはここを参照) |
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野球映像の自動インデキシング |
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野球映像のインデクスを生成するには,全投球の開始時とその結果によって,意味を表すことができる. 現在の放送映像では,投球時はセンター後方からのカメラによって撮影され,投球時には現在の得点とランナーの位置が表示されている. そこで本研究では,投手の投球を画像間差分とボールテンプレートの対応,およびボール軌跡存在位置の限定によって,投球が実際行われた時間区間を検出した. 左上の画像は,検出した投球軌跡を画像上に描画したものである.また,そのときの投球の結果は,次の投球時に表示されるスコアからルールに基づいて 推定が可能である. |
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ビデオモザイキングに基づくオブジェクト軌跡の表示 |
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映像の固定点を基に,カメラの動きを復元して画像に貼り合わせる技術はビデオモザイキングとして知られている.本研究では, 映像から動いているオブジェクトを抽出し,ビデオモザイキングによって得られた画像にオブジェクトを貼り合わせることで,オブジェクトの時間的軌跡を表現した. |
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動体解析 |
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映像から選手の動作の正確さを判定することを目標とする.映像から3次元の動きを復元するには,モーションキャプチャ, または非常に多くのカメラを必要とするが,動作が固定の場合,前もって3次元モデルを生成することができ,3次元モデルを少し変形することで見かけの動きを 合わせることが可能である.左図は,ビリーズブートキャンプの動きを映像で捉え,教師の3次元モデルと比較することができた. |
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