趣味はクイズ。休みの日はクイズ仲間とオンラインでクイズ大会を開催しています。クイズをつくるのも好きで、最近作ったクイズは「ファミリーマートではおむすび二刀流として、ドジャースでは投打二刀流として活躍する日本人野球選手は誰でしょう?」。答えはもちろん、大谷翔平です。
高校でのプログラミング教育必修化に伴い、教育現場ではさまざまな課題が浮上しています。
長島特任講師は、これらの課題を解決するため、誰でも手軽に使えるプログラミング学習環境「ビットアロー」を開発し、学習者のつまずきを早期発見・支援する技術の研究を進めています。
情報化社会の進展に伴い、小学校では2020年度、中学校では2021年度、そして高等学校では2022年度よりプログラミング学習が必修化されました。しかし教育現場では、さまざまな課題が指摘されています。公立学校はネットワーク環境や使用できるソフトに制限があり、Excelやメモ帳などのような教育用でないソフトを駆使して授業を進めている学校も少なくありません。そうした課題解決のために、長島特任講師らが共同開発したのが、オンラインプログラム環境「Bit Arrow」です。
「Bit Arrow」最大の特徴は、ウェブにアクセスするだけで使用できる点です。教育用に開発されたツールの多くは、パソコン1台ずつにプログラミング言語に対応したソフトやアプリケーションのインストールが必須ですが、「Bit Arrow」は準備段階の負担を完全に排除し、ブラウザ上の動作で完結する環境を実現しました。
さらに、視覚的なわかりやすさも追及しています。プログラムの実行中にエラーが発生した場合は、問題箇所を視覚的に表示し、具体的なメッセージを提示することで自力での問題解決が可能となります。インタラクティブなプログラムも実行でき、数字当てゲームやブロック崩しゲームなどを通じて「遊びながら学べる」環境を構築しています。
40人程度のクラスを一人で指導する教師の負担軽減も重要な課題です。「Bit Arrow」には教師向けのダッシュボード機能があり、プログラムを実行するたびに収集するログの情報を元に、各生徒の学習進捗、エラー発生回数、最後にプログラムを実行してからの経過時間などをリアルタイムで確認できます。
中でも長島特任講師が最も注力しているのは、プログラミング学習における「つまずき」の自動検出技術です。つまずきには大きく2種類あります。一つはエラーメッセージが表示される明確なつまずき、もう一つは、エラーが出なくても思った通りに動かないという潜在的なつまずきです。前者は、システムが自動的にエラーの原因を特定し、適切なアドバイスを提示する仕組みをすでに実装しています。今後の課題は後者の検出で、学習者の行動ログを詳細に分析し、AI技術を活用してつまずきのパターンを特定する研究を進めています。最終的には、つまずいている学習者の本質的な問題をシステムが自動的に検出し、個別にアドバイスできる環境の構築を目指しています。
Bit Arrowのようなシステムが教育現場のスタンダードになれば、プログラミング学習に限らず、他の教科でも個別最適化された学習支援が可能になります。教師の負担も大幅に軽減され、より創造的で質の高い教育に集中できる環境が実現するでしょう。プログラミングが身近になる未来もそう遠くありません。
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