フラダンスを20年近く踊っています。練習を重ね、発表会に毎年出演しています。ハワイ旅行した際には、現地のショッピングモールのフラダンスショーに飛び入りで参加した経験も。2024年からは大学にダンス部が発足し、顧問を務めています。
経済的に自立してより良い暮らしを送るために必要となる「お金に対する知識や判断力・適切な態度」を金融リテラシーと呼びます。「人生100年時代」とも言われる現代において、これまで以上に重要視されている力です。
荒木特任講師は、その金融リテラシーについて、さまざまな角度から研究を進めています。
金融リテラシーに関する調査は世界中で行われています。その中で「複利」「インフレ」「分散投資」に対する質問は「ビッグ・スリー・クエスチョン」と呼ばれ、金融リテラシーを測る上で重要な指標となっています。
たとえば、そのうちの1つ「複利」についてリテラシーを測る問題には次のようなものがあります。
このようなビッグ・スリー・クエスチョンの正答率は、多くの国で「男性よりも女性の方が低い」という結果が出ています。つまり、金融リテラシーには明らかな男女差があるということです。
この男女差がなぜ生まれるのか?荒木特任講師は、経済学的なアプローチで研究を進めています。
金融リテラシーの差は、金融行動に影響します。そこで荒木特任講師は、金融行動の男女差について分析。その結果「世帯主の性別によって、生命保険に加入する際のチャネルに違いが生じる」ことを明らかにしました。
この研究では、インターネットや店頭窓口など多様化する生命保険への加入チャネルに対し、その申し込み方法に世帯主の性別により差がみられるかを分析。加入チャネルのデータを、比較・分析した結果、世帯主が男性の場合、ネットからの申し込みを希望する傾向があり、世帯主が女性の場合には、対面での契約を希望する傾向が分かりました。
この成果をまとめた論文は、生命保険文化センターによる2024年度研究助成成果論文表彰制度で研究奨励賞を受賞。ネット社会における金融行動についても研究を進めています。
金融行動は金融リテラシーだけでなく、情報リテラシーによっても変化すると考えられます。特に現在は、金融にかかわる取引や情報収集をインターネットで行う人が増えています。こうした状況の中では、情報の真偽を見極め、ICT機器をうまく利用して情報を活用する力がより重要になっています。
荒木特任講師は、ファイナンシャルプランニングの手法であるキャッシュフロー表などをテーマに、情報リテラシーや表計算ソフトをはじめとしたICT機器の活用スキル、分析能力などを高める手法についても実践的に研究を進めています。学生の金融リテラシーや情報リテラシーの向上と分析能力を高めるための学びはキャリア教育にもつながることが期待されます。
金融リテラシーおよび情報リテラシーの研究を進めることは、効果的な金融経済教育の開発につながっていきます。効果的な金融経済教育が行われるようになると、年齢や性別を問わず、一人ひとりが自分にとって最適な金融行動が取れるようになります。
金融や情報に対するリテラシーが高まることで、資金面での安定が図りやすくなり、自分が目標とする人生を送るための足がかりになるでしょう。また、高い金融リテラシーを有する人材が増えることは、やがて地域や日本、さらには世界経済の発展にもつながっていきます。
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