カルモナ特任講師は、アメリカ・LA育ちのアメリカ人で元テレビマン。大阪大学では、明治生まれの日本人ジャーナリストをテーマに研究してきました。
自らの家族構成から、言葉のkeyを手に入れることで得られた色鮮やかなコミュニケーションの世界。今、その原体験から、英語教育を通して日本の国際化に挑んでいます。
カルモナ特任講師は、アメリカ・ロサンゼルス育ちのアメリカ人。高校を卒業し、地元を代表する映画産業、映像制作に惹かれテレビプロダクションに勤務した経歴の持ち主。大学で日本語を学ぶなか、日本への短期留学を経験したことで、本格的な日本留学を決意します。
大阪外国語大学大学院-言語社会研究科で前期課程を修めたカルモナ特任講師は、大阪大学-大学院へ。研究対象は、明治・大正・昭和を駆け抜けた日本の思想家、徳富蘇峰でした。
徳富蘇峰は、『國民新聞』の創刊と平民主義で知られる明治から昭和にかけての思想家で、学生時代に愛読していたアメリカの雑誌『The Nation 』の影響を受け、のちに『国民之友』を創刊。一大ブームを巻き起こしたジャーナリストでもあります。こうしたプロフィールから、蘇峰は『The Nation』の編集者E・L・ゴッドキンに憧れていたことは知られていましたが、両者を結びつけるような事実や客観的な資料は何一つありませんでした。
カルモナ特任講師は、大阪大学大学院での研究活動中に、アメリカに残されていた蘇峰からゴッドキンに宛てた手紙を探し当てました。両者の直接的なつながりを示す資料を見つけたことで、蘇峰とゴッドキンの交流の事実や、思想的な影響などについて実証しました。
カルモナ特任講師のルーツは、アメリカ・ロサンゼルス。英語を母語として育ちましたが、一緒に住んでいた祖母はメキシコ出身(スペイン語)でした。子ども心に、「もっと、ちゃんと、おばあちゃんと話したい」とスペイン語を学び、その言葉を解することによって、祖母の生きた時代や暮らし、文化などメキシコの鮮やかな世界を追体験していきます。英語だけでは、決して叶わなかった豊かなコミュニケーション。また、耳の聞こえない従弟と話をしたい、と手話を学んだ経験も。手話で話しながら「静かに爆笑する」経験は、とても新鮮だったそうです。
カルモナ特任講師は今、自らの体験から、言葉を手に入れることで得られる豊かなコミュニケーションを学生たちにも経験してほしい、と英語教育への挑戦を楽しんでいます。
コロナ禍を機にオンラインでのコミュニケーションが増え、同時にAIの進化によって言語を翻訳・通訳することも飛躍的に良くなりました。けれども、授業によって英語を学ぶ必要がなくなったのかと言うと、そうではありません。カルモナ特任講師は、今は4つのメリットから英語を身につける必要があると指摘しています。
1つには、自分が執筆した論文を翻訳にかける時間や経費を大幅にカットし、リアルタイムで海外の最新情報・論文・ニュースを得るため。2つめは、国際的なコミュニケーションにおいて自信を高められるということ。自らの言葉で話し、自らの耳で聴いて理解できれば、よりダイレクトな意見交換が可能になります。3つめは、AI翻訳による誤解や混乱を防ぐため。AIは複雑な文脈を理解し、背景にある文化や個別の状況を把握することは苦手です。AI生成された、ちぐはぐな文章に頼るより、少しずつでも自分の言葉で思いを伝える方がコミュニケーションとしては重要です。4つめは、国際化の浸透です。今後グローバリゼーションが進む中で、ビジネスだけでなく、地域社会でも国際化に直面する機会が確実に増えていきます。とっさの出来事でも、文化や慣習の異なる中でも、人と人の橋渡しができるのは、英語を自分で話せる人です。
カルモナ特任講師は、英語を自分の言葉で話せるように、より面白く、発見のある授業のあり方を摸索しています。
カルモナ特任講師は、日本でも、英語がもっと身近になる時代や社会になってほしいと感じています。言葉を身につければ、自分自身が知りたいこと、聞きたいことをダイレクトに伝えることができます。
グローバリゼーション化が進む世界を、より早く、より深く知る。人のためではなく、自分自身のために学び、コミュニケーションする楽しみを感じてほしいと、情熱を傾けています。
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