高齢社会では,高齢者や障害者の介護援助についての専門知識と実務技能を持ち,高度医療技術や福祉機器の開発,医療情報の管理が行える人間性豊かな人材が必要不可欠です.
またその安全管理や効果的利用への対応も急務.このような社会的要請に応えるために、生命維持から日常生活の支援まで幅広い分野についての専門知識を教授し,医療・福祉・健康科学系スペシャリストを育成します.
医療福祉工学研究科医療福祉工学専攻には,博士前期課程(修士課程)と博士後期課程が設置されています.
必修科目22単位および選択科目4単位以上,合計30単位以上の単位を修得し,修士論文の審査に合格することで修士(工学)の学位を授与されます.
専攻分野 | 授業科目 | 担当教員 | |
生体医工学 | ヒューマンインターフェース特論 | 松村 雅史 | |
時系列信号処理特論 | 中村 英夫 | ||
生体計測特論 | 吉田 正樹 | ||
医用物理学特論 | 日坂 真樹 | ||
医療情報分析学持論 | 越野 八重美 | ||
医療工学 | 臨床工学特論 | 海本 浩一 | |
医療機器学特論 | 橘 克典 | ||
医用微小デバイス工学特論 | 長倉 俊明 | ||
生殖医学特論 | 細野 剛良 | ||
福祉工学 | 福祉情報工学特論 | 新川 拓也 | |
運動機構学特論 | 藤川 智彦 | ||
健康運動科学 | 健康体力学特論 | 太田 暁美 | |
身体機能解析学特論 | 赤滝 久美 | ||
運動心理学特論 | 堀井 大輔 | ||
補完代替医療特論 | 武田 ひとみ | ||
ヘルスケア機器学特論 | 大石 利光 | ||
リハビリテーション 科学 |
臨床運動学特論 | 小田 邦彦 | |
スポーツ障害理学療法特論 | 小柳 麿毅 | ||
運動計測学特論 | 田中 則子 | ||
運動発達学特論 | 羽崎 完 | ||
共通 | 医療福祉工学総論,特別講義,ゼミナール,特別演習,特別研究など |
所定の単位(下記科目等)を修得し,博士論文の審査に合格することで博士(工学)の学位を授与されます.なお,担当者によって履修する授業科目が決定されます.
科目 | 担当教員 | 研究教育内容 |
生体医工学特殊研究 | 吉田 正樹 松村 雅史 日坂 真樹 |
生体特有の性質として,個体差があること,外的刺激に影響されやすいことなどがあり,一般工業用計測手法をそのまま使用することはできない.また,生体を計測する際には,生きたまま,その場所で,あるがままに計測することが重要である.このための無侵襲,無拘束,被験者が無意識の状態での計測が非常に重要である.さらに生体の特性を知る事により,ヒューマンエラーなどのトラブルを起こすこと無く人間と情報システムの間で情報伝達を円滑に行うためのインターフェース技術を開発することができる.以上のような内容に関する研究指導を行う. |
医療工学特殊研究 | 海本 浩一 細野 剛良 |
今日の医学は,様々な高度医療機器や高度医療技術が利用される進歩が著しい分野である.さらに,生体臓器機能を代行する生体機能代行装置は生命維持管理装置であり,その機能性ならびに安全性は直接患者生命を左右し,医療の信頼性を担う.これらの最新機器はスイッチひとつで確実に動作する臓器ではあるが,さらなる安全性の確立やさらなる高性能な機器開発の要求が医療現場を中心にあげられている.このような医療の現場での要求に対応できるような各種医療機器や各生体機能代行装置に関する研究指導を行う. |
福祉工学特殊研究 |
新川 拓也 藤川 智彦 |
疾病,外傷,先天異常に基づく身体機能の変化は,個人の生活活動,社会活動に影響を及ぼす.また,高齢者および障がい者の介護,自立の援助は大きな社会的課題になっている.その多くは,手足の麻痺,筋力低下等の運動器に関係する障害であり,そのための機器の開発には,医学的知識に加えて,工学的知識が必要不可欠である.ここでは,高齢者や障がい者が高い生活の質(QOL)を維持したまま生活を送るための支援工学技術に関し研究指導を行う. |
健康運動科学特殊研究 | 赤滝 久美 大石 利光 |
生活の質(QOL)を向上させるうえで,身体を自由に活動させうる充分な体力を維持することは非常に重要な要素となる.ここでは,運動を支える身体諸機能の生理学的メカニズムの解明を基盤とし,健康科学的な視点から運動を科学的に捉え実践するための研究指導を行う. |
リハビリテーション科学特殊研究 | 小柳 麿毅 田中 則子 |
リハビリテーション医療は,「障がい」を対象とした医療科学であるが,近年の高齢者人口の急増や医療技術の進歩等は,障がいの多様かつ重複化を誘発した.ここでは,このような複雑な障がいを科学的に分析し,エビデンスに基づいた治療学の開発に関する研究指導を行う. |