主人公になろう。

工学部 環境科学科

「無理だ」と言う人はいつも、「今は」を付け忘れている。「無理だ」と言う人はいつも、「今は」を付け忘れている。

[シロップ、炭酸飲料、そして果実酒の開発へ。夢をつなぐ三代目「ベリーベリープロジェクト」。]「ベリーベリープロジェクト」三代目リーダーとして、企業・団体の協力のもと、炭酸飲料を開発。いつか、先輩たちが夢見たオリジナルアルコール飲料の実現へ。ポリフェノール研究を行う環境科学科では、その成果を独自商品開発プロジェクトへと展開しています。[シロップ、炭酸飲料、そして果実酒の開発へ。夢をつなぐ三代目「ベリーベリープロジェクト」。]

「ベリーベリープロジェクト」三代目リーダーとして、企業・団体の協力のもと、炭酸飲料を開発。いつか、先輩たちが夢見たオリジナルアルコール飲料の実現へ。ポリフェノール研究を行う環境科学科では、その成果を独自商品開発プロジェクトへと展開しています。

STORY

工学部 環境科学科 4年
N.T.さん

「理系の実験は楽しい!」
OCでの先生との出会い。

食品の研究がしたくて、大阪電気通信大学に入学しました。他にもいろんな大学を検討していましたが、決め手はオープンキャンパスで「ある先生」と出会ったことです。研究内容についてとても楽しそうに話していただいて、「理系の研究は黙々と行う」イメージを覆されてしまったんです。そのときの先生が、のちにベリーベリープロジェクトを担当される齊藤 安貴子先生でした。ここなら、他の大学ではできないことができるんじゃないかと感じました。

リーダーとして『ソルティ・ラズベリー』開発を実現。

「ベリーベリープロジェクト」のリーダーになったのは、3年生の夏ごろです。その後、すでに先輩たちが開発していたシロップを活かして炭酸飲料を作ることになったのですが、思った以上に大変でしたね。パッケージラベル作り、ラズベリーとサイダーの比率などの商品そのものの内容はもちろん、外部の企業や団体の方々とのやりとりも初めてだったので。慣れないながらも、シロップ製作にご協力いただいたハニコウム園芸さんをはじめ、さまざまな方に助けていただきながら炭酸飲料『ソルティ・ラズベリー』を形にすることができました。

将来の目標は、
食品分析の仕事に就くこと。

将来は、食品を分析する仕事に就きたいと考えているので、齊藤先生と相談のうえ、食品の中に含まれる機能性物質を分析する手法を学び、さまざまな分析機器を使って研究に取り組んでいます。ときには富山の大学を訪問して数日かけて実験を行うなど、学内だけにとどまらずフットワークを駆使して学んでいます。『ソルティ・ラズベリー』の経験も、将来役立つと思いますが、この「ベリーベリープロジェクト」では、まだまだやりたいことがあります。それは、初代リーダーからの念願である、ラズベリーのお酒を作ること。お酒造りは、他の商品開発よりもとてもハードルが高いんです。周囲から見れば「無理だ」と思われるかもしれません。でも―

「お酒造り」の夢に向け、プロジェクトを受け継いでいく。

日本を代表する、とあるファッションデザイナーの方を尊敬しているのですが、その人は周囲から「無理だ」と言われても取り組み続け、やがて世界の常識を打ち破っていきました。僕らの夢である「お酒造り」も、2015年に酒類試験製造免許が認可されるなど、少しずつ前進しています。まだまだハードルはありますが、プロジェクトが続く限り、いつかは実現できるはずです。たとえ自分の代では無理でも、次の世代に受け継いでいけばきっと。そのためにも、このプロジェクトを長く受け継げるように取り組んでいきたいと思います。

[ベリーベリープロジェクト]BERRY BERRY PROJECT[ベリーベリープロジェクト]BERRY BERRY PROJECT

BERRY BERRY PROJECT?
「ベリーベリープロジェクト」とは?

健康に良いとされる「ポリフェノール」を多く含むベリー系植物を自分たちの手で育て、「機能性食品」の商品開発を行う学生主体のプロジェクトです。ポリフェノールの含有量の数値化・機能性の検証を重ね、化学的・生物学的に健康維持や病気予防などの効果が証明された大学独自の商品開発に取り組んでいます。

プロジェクトの中心を担うメンバーが所属する工学部環境科学科 齊藤研究室では、数あるポリフェノールのなかでも特に高い機能性があるといわれる「プロアントシアニジン」の働きを解き明かす研究を進めており、最近では「ヒトのガン細胞の増殖を抑える作用」「抗菌作用」などを発揮する構造を明らかにしています。ベリーベリープロジェクトは、こうした研究成果を広く社会に発信していくことを目的のひとつとしています。

また本プロジェクトの活動に伴って設立された、大阪電気通信大学発のベンチャー企業「株式会社べりーらぼ」では、学生が役員を務めています。

- これまでに開発した主な商品 -

■ラズベリーシロップ

大学の研究室内で氷砂糖とラズベリーの配合に検討を重ねてレシピを作り、(福)ハニコウム園芸協力のもと、製品化。門真市内のイベント「象鼻杯&真夏のカーニバル2015」では、木村酒類販売株式会社協力のもと、このシロップを用いたかき氷を提供しました。

■ラズベリークッキー/ワッフル

(福)ハニコウム園芸による協力のもと、先述のラズベリーシロップを練り込んだクッキーやワッフルを開発。東京ビッグサイトで行われた「アグリビジネス創出フェア」への出展時などに提供しています。

■炭酸飲料『ソルティ・ラズベリー』

東日本大震災復興支援会社 株式会社かけあしの会との共同で、同社の塩サイダーのノウハウを活かした炭酸飲料『ソルティ・ラズベリー』を開発。多数の飲料開発を手がけてきたトレボン食品株式会社の協力のもと、味にも香りにもこだわった商品を実現。

多様な環境でラズベリーを栽培して機能性を分析

ベリーベリープロジェクトのメンバーの大半が所属する齊藤研究室では、学内に設置したポットのほか、四條畷市の貸農園など地域の方々の協力のもと、ラズベリー栽培に取り組んでいます。また、植物工場ユニット「アグリキューブ」を用いた栽培も検討しはじめており、さまざまな条件下で生育したラズベリーの機能性分析・解析を進めています。 写真)植物工場ユニット「agri-cube(アグリキューブ)」大和ハウス工業株式会社