KANAMURA Hitoshi
建築・デザイン学部 建築・デザイン学科 空間デザイン専攻 教授
大学院 総合情報学研究科 デジタルアート・アニメーション学コース 教授
ビジュアルア-ティスト
現代アート / インタレーション / 空間表現

到着したら別世界、という非日常的な感動が楽しくて、飛行機に乗るのが好き。次に行ってみたいところはビジティングアーティストとして、長期滞在したことがあるニューヨークがコロナ禍後どう変わったか見てみたいです。

アートを通して育まれるのは
どの業種でも求められるクリエイティブな力

今やどのジャンルでも重要視されるクリエイティブな発想力。ビジュアルアートや現代美術を専門にする金村先生は、それらの基礎となるデッサンや、空間の要素を取り入れ完成するインスタレーションなどについて指導しながら、作家としての活動にも精力的に取り組んでいます。

「空間を体験する」インスタレーションや3Dプリンターを活用した
立体作品やデジタルプリントなど、
幅広い手法で表現し続ける情熱に触れる

金村先生の作品の1つ『Portrait』シリーズは、人物を撮影し、その撮影されたイメージをタイルに反射し映り込んだように見えるように合成したシリーズ。被写体は展示会場のオーナーや裏方など、普段鑑賞者が会うことのない人物で、作品の前に立つと自分と被写体が重なって映るように見えるインスタレーションです。インクジェットプリントとアクリル絵具を使った作品「Drawing for Centrifugation」(2016)は、回転することは「過去にいた自分」の虚像を追い続け一体化することで、自己を消滅させる行為ではないかという視点で制作されています。

Portrait (Hezzie) エンボス加工した印画紙、合成樹脂ペイント、The Contemporary Artists Center, Woodside,Troy, NY,2015
左)Portrait(Mr.Hayashi-Dark Brown) ラムダプリント、アクリル板、目地剤、188.5cm×83.5cm×0.6cm、2016
右)Portrait (Mr. Hayashi – Orange)ラムダプリント、アクリルマウント115 × 167.5 × 0.6 cm、2016
Centrifugation インクジェットプリント、アクリル絵の具、キャンバス、194cm×120cm×5cm、2016
Instalation view, Gallery Nomart, Osaka, 2016

炭になりゆく生の豚バラから何を感じる? 
キーワードを咀嚼し続け生み出される作品たち

近年作品制作のキーワードとなっているのが「移動と変質」。『Meat Entropy』(2018)は、豚バラ肉の片方から加熱し、肉から鉱物(炭)になっていくグラデーションを捉えた写真作品であり、『Body Rotation』は、さまざまなポーズをとった人体を回転させた時に生まれるフォルムを、3Dプリントした彫刻作品です。また青空をプリントしたスケートボードを庭園などに設置するプロジェクト『Thrash Entropy for The Garden』(2021)は、京都の寺院やコンセプトホテルで展示されるなど、さまざまな手法で作品制作に挑み続けています。

左)Centrifuged Back Rib,  180×150cm、インクジェットプリントにアクリルマウント、2018
右)Meat Entropy,  インクジェットプリントにアクリルマウント、2018
 
左)Body Rotation 007、真ん中)Body Rotation 008、右)Body Rotation 009   ABS樹脂、アクリル塗料、2016
Thrash Entropy for The Garden, 2021

物事を俯瞰して見て伝える「絵を描く力」が
どんな道へ進んでも社会を生き抜く力になる

俯瞰して物事を見てそれをどう表現し、見る人にどう感じさせるか。クリエイティブなものづくりは、そうした思考の繰り返しであり、その経験はどのような業種であっても、クリエイションを使って仕事ができる糧となります。「絵を描く」力とは単に技術的なことではなく、例えば「策略を練る・企てる」という事を「絵(画)を描く」と表現することもあるように、そうした力を持つ人物を育み輩出します。

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