建築を中心に、家具からサッカースタジアムまで、さまざまなスケールのデザインを手がけてきた梅原教授。ヨーロッパで活動してきた経験を生かし、新しい暮らしの楽しみ方や価値の発見につなげていきたいと考えています。人が本当に心地よいと感じる空間づくりのために、柔軟な発想を形にしています。
本学での教育のかたわら建築家としても活躍する梅原教授は、住宅、リノベーション、インテリア、エクステリア、家具などを手がけ、他の事務所と組んで大規模な設計コンペにも参加しています。建築家として重視しているのは、人が本当に心地よいと感じる空間づくり。スケールや用途の違いがあっても、人がそこにどう関わるのかをデザインしていくという仕事の本質は同じだと考えています。
住宅デザインの場合、住む人のライフスタイルや持ち物、アクティビティなどが絵だとすると、それを包む額縁となるのが住宅。シンプルで、暮らし方に共感し寄り添えるような建物デザインであることを大事にしています。
心地よさをつくり出す源泉として見た目や手触りに重きを置き、従来の形やイメージにとらわれない発想でデザインしてきました。建物ではなく敷地に対して適切な屋根を架ける試みや鍵穴すら隠してしまう玄関扉など、ときに既成概念を打ち壊すような発想を形にしています。
梅原教授は日本の大学・大学院で建築を学んだ後、デンマーク王立芸術アカデミーに留学。建築がすべてのデザインの源だと考えられている北欧での学びは刺激的で、建築家として活躍するための大きな力になったと言います。
卒業後、建築家としての最初のキャリアはオランダでスタート。留学先の先生から「英語が通じて経済が安定し、建築的にも面白いのはオランダしかない」と薦められたそうです。そのオランダの建築事務所で13年間働き、集合住宅や住宅のほかホテル、教会、サッカースタジアムなど多彩な仕事を経験。中には日本では携わることが難しいようなプロジェクトもあり、建築だけでなく文化的な側面を含めた貴重な経験を得ました。
梅原教授はヨーロッパで国際的な建築設計に携わった経験を生かし、新しい暮らしの楽しみ方や価値の発見につなげたいと考えています。現在、建築業界では国際コンペが増え、建築家の活躍フィールドも広がってきました。教育の中でグローバルな視野を養う機会を提供することで、世界に向け積極的にアクセス(orアプローチ)し、グローバル化を肌で感じることが大切だと考えています。幅広い視野や柔軟な発想力を養うべく、海外留学や海外研修を推奨しています。
建築のグローバル化が進む時代、気候の違いに対応したデザイン、建築ビジネスの違いなど、建築家の備えておくべき知識は多様化しています。また、現地の人と協働する機会も増えていくでしょう。
グローバルに活躍する建築家のデザインは、街や風景、建築をどう変えていくのでしょうか。日本の建築家は、世界の町でどんな仕事をするのでしょうか。異文化同士が互いに影響し合いながら新しい価値が生まれる姿は、私たちをワクワクさせてくれます。
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