スポーツ観戦が好き。サッカー・セレッソ大阪のゴール裏席の年間パスを持っているとか。「ナイターだと芝生も選手も鮮やかできれい。ビールを飲みながらの観戦は最高」とのこと。
ガラス状高分子と呼ばれる透明なプラスチック材料は、美しく透き通った性質を生かして工業材料として使われています。しかし大きな力や高い熱といった刺激を受けた後の力と変形の関係については、まだ解明されていないことがたくさんあります。
吉岡研究室では、このガラス状高分子の謎に挑戦しています。
ガラス状高分子はアクリルやポリカーボネートなどその種類も多く、身の回りの製品にも数多く使われている材料です。透明に見えるのは、小さな結晶を材料内に全く持たないため光が散乱されることがないから。液体のような構造のまま隣同士の分子が拘束し合って動けなくなり、固体のように硬くなっているのです。
工業用材料では「どんな力がかかると、どう変形し、破壊するのか」という変形や強度の特性を把握しておくことが重要です。ところが、ガラス状高分子は、そうした特性が極めて複雑であることが知られています。
吉岡研究室では、この複雑な変形や破壊の特性は何によってどのように決められているのか?を調べるべく、さまざまな条件下での負荷試験を行い、機械的物性のメカニズム解明に取り組んでいます。
実際の負荷試験では、たとえばプラスチックが変形しやすい温度で試験片を一定の力あるいは一定のスピードで引っ張り、材料が変形する量(ひずみ)と外力に対して物質の内部に生じる抵抗力(応力)との間の関係を調べます。一定のスピードで引っ張る場合,グラフのように、途中まで変形量と抵抗力は比例して増えていきますが、途中で変形量は増えるのに抵抗力が大きく減るという不思議な現象が起こります。
また、引っ張るスピードによっても抵抗力の大きさが変化。さらには、物質がどのような温度にさらされたのかという履歴、どんな変形を経たのかという履歴によっても、変形と抵抗力の関係が変化します。
このガラス状高分子の複雑な特性(物性)が解明されれば、将来的な用途だけでなく加工法においても新たな可能性が広がってきます。
ガラス状高分子はその複雑さから機械的物性が特定されておらず、現在は、建築物の柱のように力を支えるものの材料としては使用されていません。しかし「さびない、軽い、電気を通さない」などプラスチックならではの利点はたくさんあります。
もし、力や熱といった負荷に対する耐性や物性が詳しく解明されたなら、加工方法の工夫によっては、今後より強靭なガラス状高分子が開発されるかもしれません。そんな未来になら、建物の柱や梁が透明なプラスチックでできた、美しい建築デザインが浸透するかも知れません。
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