電波は電磁波の一種で、3テラヘルツ以下のものが電波と呼ばれています。
何研究室では、放射、伝搬、散乱など電磁波のさまざまな現象がどのように起こるのか、そのメカニズムをコンピュータシミュレーションで解明。幅広いテーマの解析によって、電磁波活用の可能性を広げています。
スマートフォンを置くだけで充電できるのは、電波で電力を送る無線電力伝送技術のおかげ。もっと遠くに大きな電力を届ける技術が開発され、IoTを支える各種センサーへの給電などの実用化が進行中です。
何研究室では、ドローンが長時間滞空できるよう、動くドローンを追尾して電波で電力を送るアンテナのシミュレーションを行っています。シミュレーションではアレーアンテナと呼ばれる複数のアンテナを並べた機構を活用。アンテナにかける電圧を変えることで、電波を特定方向へ送り、通信の安定性を確保するビームフォーミング技術を実現し、ドローンを追いかける仕組みの確立が目標です。現在、最も効率的に電波を受信できるアンテナの形状、配列を、数値解析によって探っています。
何研究室では、電磁波の数値解析によるシミュレーションを、多様な分野に活用しています。
地下探査レーダもそのひとつ。老朽化した水道管やガス管の取り換えの際に、どんな深さにどんな口径・長さの管が埋まっているか、電波を対象物に反射させ埋設物を判断するなどの用途で使われています。また近年、期待されているのが、埋設物のサイズや埋設深度ごとに違う電波の反射波形をAIを使って判定する技術の開発です。
何研究室では、AIに埋設物を特定させるための機械学習に必要な、大量の反射波形データをつくる方法を、数値解析を駆使して研究しています。今後、遺跡の発掘など利用領域の拡大が予想される地下探査レーダの基礎技術としても期待されます。
無線で電力を送る技術は、今後、いろんな展開が期待できます。
たとえば、電気バスが走るようになれば、わざわざ車庫に帰らなくても、バス停に送電して停留中に充電できれば効率的。また、衛星を打ち上げて宇宙空間で太陽光発電を行いその電力を地球に送る「宇宙太陽光発電」、電気を送らなくても空間に飛んでいる電波を吸収して発電させようという「環境発電」と呼ばれる技術も、すでに研究が始まっています。
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