70年代から80年代の洋楽ポップスやロックを通勤中によく聴いています。最近は趣味の幅を広げるために楽器演奏を始めて、ゆくゆくはビリー・ジョエルの曲を弾き語りできるといいなあと妄想しています。歴史小説が好きで、司馬遼太郎先生や塩野七生先生などの小説がお気に入りです。
わたしたちのからだにある神経や筋は、その活動の際に電気を発生します。皆さんご存知の心電図は心臓から、脳波は脳の神経から発した電気信号をキャッチしたものです。このような電気信号を測ることで、健康状態を把握することができます。中村准教授は、そのための分析に関する研究に取り組んでいます。
わたしたちの身体の器官は自律神経にコントロールされています。自律神経は、呼吸、体温、消化や血圧といった生きていくために必要な機能をになっています。
中村准教授は、自律神経を心拍数から精密に測るための方法について研究しています。
心拍数は自律神経によって常に変化しています。その変化の度合いを調べることで自律神経がどれくらい働いているかをトーン-エントロピー法で数値化します。自律神経の働きは、日々の生活習慣や運動習慣に大きくかかわっており、年齢を重ねれば老化によって機能も低下していきます。つまり、自律神経を測ることで、皆さんの神経の調子や体調を客観的に理解することができます。
今後はIoT技術の進化によって、ウェアラブル健康機器が身近になります。その際の「ものさし」として、研究成果を発展させていくことが研究の目標です。
近年、交通機関での事故と睡眠障害との関連性が盛んに取りざたされています。特に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と呼ばれる疾患名がクローズアップされ、睡眠外来のある病院ではポリソムノグラフィ(PSG)検査を実施することで、疾患を診断することが広く知られるようになりました。
PSG検査とは、脳波、心電図、筋電図といったさまざまな生体信号を同時に記録するため、その医療スタッフの準備負担が大きく、被験者の拘束感も多いといった問題点があります。そのため、中村准教授は、睡眠検査を簡易化するために何が問題点なのかを明らかにするために統計的手法をつかって調査しています。
PSG検査は、30秒1エポックという単位で、レム睡眠や深睡眠、軽睡眠といった分類を専門技士による目視の手動判定を行っています。多くの研究報告によって、目視の手動判定に関する問題点が明らかにされています。近年では、自動判定技術が盛んに研究されており、さまざまなアルゴリズムが提案されています。
中村准教授らは、睡眠判定の標準化を目指し、睡眠生理学にもとづく知識と自動判定技術とを融合させることで、さまざまな機関や個人が活用できる環境・システムの開発に取り組んでいます。
「統計」は、わたしたちの身体や心理的な状態について、重要な事実を教えてくれるため、研究には必要不可欠なツールです。
しかし、わたしたち個人は、体型や人種も千差万別。全体的な「統計」では、個性をとらえることはできません。そのために長期にわたる個人の生体データのモニタリングが望まれており、Personalized Health Management(PHM)の必要性が取りざたされています。
今後もコンピュータ技術の進歩や分析技術の向上が見込まれ、わたしたちの日々の生体データが社会に活かされる日は意外に近いかもしれません。
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