公益財団法人 大阪YMCAユース事業部

子どもたちの自信を育んで
世の中をもっとよくしていきたい

山本 晃平さん/2020年 健康スポーツ科学科卒業(兵庫県 西宮今津高等学校 出身)

※2025年4月より健康情報学科 スポーツ科学専攻へ変更予定

現在の仕事内容

指導者は、子どもたちのリーダー。
子どもたちと一緒に成長できる指導をめざす。

YMCAでは、指導者をコーチではなく、子どもたちと同じチームのリーダーとして”一緒に成長していく”という、かかわり方を大切にしています。体操や水泳の指導の中で子どもたちが壁にぶつかることがあります。一から十まで、指導者が教えてしまうと成長につながりません。「なぜできないのか」「どうしたら上手になるのか」を子どもたちと話しながら、一緒に考えています。その子が壁を乗り超えることができたら、あなたの力だよと教えてあげるようにしています。

リーダーが行う仕事の中でも、指導案づくりは大切な業務のひとつ。まず、子どもたちにどのように成長してもらいたいのか?指導目的を決めていきます。その後、プログラムの中で何を行うのか?どれくらい行うのか?どの器具を使うのか?等、子どもたちの発達・成長段階に合わせて難易度を決めていきます。大学でスポーツ指導を学んだことがいまの指導案づくりに活きています。

入職したきっかけ

ゼミの先生の紹介で子どもたちの指導を経験。
一緒に楽しんでいるリーダーの姿が心に残った。

大学在学中にYMCAの体操の先生を経験したことが、大阪YMCAに入職したきっかけです。わたしが所属していた研究室の先生は、昔YMCAの職員をされていて、その先生にYMCAで、体操の先生をやってみないかと誘っていただきました。

実際にYMCAに行ってみると、そこで働いていたリーダーの方がとても楽しそうに指導をしていた姿が印象的で。子どもたちと一緒に笑い合いながらかかわっている姿を目の当たりにして、自分もやってみたいと思うようになりました。「子どもたちと一緒に成長していく」という指導スタイルにも共感を覚えました。

仕事のやりがい

子どもたち一人ひとりの成長が
世界の未来をよりよくしていく。

スポーツは楽しくないと続かない。わたしはそう考えています。だからこそ、わたしがかかわることで子どもたちがスポーツの楽しさを見出してくれたとしたら、これほどうれしいことはありません。身体を動かすことでやりがいが生まれたり、元気が出たり、泣いている子どもが笑顔になったりしてくれると、やっていてよかったなと心から思います。

大阪YMCAは「みつかる。つながる。よくなっていく。」というスローガンを掲げています。1人でも多くの子どもが、よりよく成長して立派な大人になってくれたら日本の未来もいいものになると思いますし、それができたら、喧嘩やいじめ、戦争さえも無くせると信じています。わたしも指導者として子どもたちの成長に貢献していきたい。その想いで、日々、子どもたちと向き合っています。いつか、自分が教えていた子がテレビに出るような活躍をしてYMCA出身だよと言ってくれたらうれしいですね。

大学に入学したきっかけ

スポーツや科学を学びながら教員をめざせる環境が
いまのわたしにつながった

小さい頃から身体を動かすことが好きで、空手や柔道、水泳、新体操、バトミントン、バレーボール等、いろいろなスポーツを経験していました。数多くのスポーツをする中で、スポーツについて学びたいという思いが強くなり、さらには、理系分野の学びにも興味が広がり、スポーツと科学の両方を学べる大学を探していました。

健康スポーツ科学科は、身体活動に関する研究や実験がたくさんあり、自分の興味と重なる学びが多いと感じました。さらに、教員免許を取れることも、大阪電気通信大学を選んだ理由のひとつです。わたしは教員への憧れがあり、中学高校の保健体育の教員免許を取得できたことが、いまのYMCAの仕事につながっているのかもしれません。

印象的な大学での学び

スポーツ指導の仕方や心理学、栄養学まで、
多岐にわたる学びが、いまの仕事につながっている。

学科での学びも、教員免許の勉強も、部活動も、友だちとのセルフトレーニングも、ぜんぶ真剣に取り組みました。その中でもやはり、スポーツ指導の仕方や指導案の作成の仕方、身体活動に関する注意点等を学べたことが、いまの指導に活きています。子どもの身体がどのようにつくられているのか?どのように動くのか?といった身体の仕組みから、体調管理方法、栄養学まで、幅広い知識を学んだことで、的確なアドバイスができるようになっています。

さらに大学で心理学も学べたおかげで、子どもたちとのかかわりを通して、心と身体の成長を支えているという実感を持つことができています。働き始めの頃は、どのようにコミュニケーションを取ればいいのか迷うこともありました。しかし、心理学を通して学んだ内容を振り返ることで、発達段階における子どもの心について理解を深めることができ、自分なりの接し方を考える上で役立っています。

受験生へのメッセージ

目標を持って努力すれば
きっと、誰かが応えてくれる。

健康スポーツ科学科は、仲間意識が高く、活発なコミュニケーションで溢れています。教員の方も、とても親切で不明点や疑問点等があれば、しっかりと指導してくださる人ばかり。将来に対する悩みにも、親身になって解決へと導いてくださいました。

研究では、経皮吸引刺激による上腕二頭筋の発達について、企業との共同研究の機会にも恵まれ、筋肉への理解を大きく深めることができました。そこでの知識や経験は、いまの指導にも役立っています。みなさんもたくさんのことを学んでみてください。きっと将来の仕事に活かすことができると思います。