現在の仕事内容
一般の方からプロスポーツ選手まで、
専門性を活かしてリハビリテーションに携わる。
わたしは理学療法士として、手術後の患者さんや、ケガをしたスポーツ選手のリハビリテーションをサポートしています。わたしたちの病院は、プロサッカーチームやプロ野球チームのメディカルサポートも行っており、リハビリに来られる方の中にはプロの世界で活躍するスポーツ選手も少なくありません。その中でも、わたしは特に、膝のケガをはじめ下肢スポーツ傷害の方を支援しています。
理学療法士は、他の医療従事者と比べても、ひとりの患者さんと向き合える時間が長い仕事。一人ひとりの患者さんとコミュニケーションを重ねながら、少しでも前向きな気持ちでリハビリを楽しんでもらうことを心がけています。
入職したきっかけ
臨床・教育・研究、3本柱で患者さんを支える理学療法士へ
夢を叶える環境がここにある。
わたしの目標は、日本を代表するようなアスリートの方たちと胸を張って向き合えるような、世界水準の理学療法士になること。そのために、臨床・教育・研究という3つの柱を中心にして、技術を高めながら、臨床研究も行い知識を深めていきたいと考えていました。神戸大学医学部附属病院は、教育機関として、人間性豊かな医療人を育成するとともに、新しい医療の開発のために研究業務にも力を入れています。ここでならわたしの目標を叶えられる。そう感じました。さらに神戸大学医学部附属病院は、下肢スポーツ傷害を持つ患者さんの治療を数多く行っており、わたしが興味を持っている分野と重なるところにも惹かれて入職を決めました。
仕事のやりがい
患者さんがわざわざリハビリ室へ
元気になった姿を見た時、うれしさが込み上げてきた。
わたしたちの病院では、手術後すぐの患者さんや発症後すぐの患者さんといった、いわゆる急性期の方のリハビリを担当することが多くあります。患者さんの状態が回復して転院や退院につながった時に、やりがいを感じています。さらに、退院された患者さんが病院へ診察にこられた際、わざわざリハビリ室に寄り、元気な姿を見せてくださることもありました。その時は、大きな喜びを感じました。
さらに臨床だけでなく、広く知識を届けるために論文の執筆にも取り組んでいます。目の前の患者さんだけではなく、多くの人の役に立てる理学療法士になるため、挑戦を積み重ねる日々。いつかは理学療法士としての基礎を築かせてもらった母校に、自分が身につけた知識や経験を還元できるように努力を続けていきたいと考えています。
大学に入学したきっかけ
スポーツ領域に特化した理学療法士をめざせる
その環境に、チャンスを感じた。
わたしは小学校から高校まで10年間野球を続けてきた中で、中学生になるタイミングで膝をケガしてしまい、1年間野球ができない期間がありました。治療のために手術をすることになり、その頃、リハビリテーションで理学療法士の方にお世話になったことがきっかけで、理学療法士という仕事を知りました。
リハビリという言葉を聞くと辛いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。ですが、その理学療法士さんは話しやすく、リハビリがとても楽しかったことを覚えています。他の患者さんと一緒にゲームで体を動かしたり、一日中リハビリルームで過ごしたりする日もありました。リハビリ期間中は、復帰時期には後輩が入っていることを考え、焦りや不安があったと思います。その中で、理学療法士さんがリハビリを楽しい体験に変えてくれたことがとてもうれしく、いまの仕事の原点になっています。
高校生になり本格的にスポーツ領域に特化した理学療法士をめざすようになった時、高校生世代の野球の日本代表のトレーナー経験を持つ方と話をする機会がありました。そのトレーナーに進路相談をした際に、大阪電気通信大学の理学療法学科※を知りました。スポーツを専門とする先生が多く、中にはプロサッカー選手やプロ野球選手を診てきた方もいらっしゃいます。さらに、スポーツ関係の理学療法士をたくさん輩出しているこの学科でなら理想とする理学療法士をめざせるのではないか。そう思い、入学を決意しました。
印象的な大学での学び
実習やクラブ活動支援、高校野球のメディカルサポートまで、
スポーツ傷害について経験しながら学んでいける。
理学療法学科※はスポーツ傷害についての授業が充実しており、自分の学びたい領域をしっかり学ぶことができました。やるからにはトップをめざそうと決めていたので、誰にも負けないくらい勉強に励みました。さらに、先生から「理学療法士は、臨床も現場もどっちも学ばなければならない」と教えてもらい、授業だけでなく、先生に同行して高校野球のメディカルサポートや、高校のクラブ活動支援等も経験。実際のスポーツ現場に何度も通いながら、多くのことを学ばせてもらいました。
研究でも「スポーツ傷害の予防」について取り組みました。その中で選んだのは、発生率が高く、治療に長期間を有する前十字靱帯(ACL)損傷の予防について。ACL損傷はバスケットボールやサッカー等で切り返しやジャンプからの着地の際に膝が内側に入ることで受傷してしまう可能性が高まるスポーツ傷害。特に、学生にしてみるとケガのまま部活が終わってしまったり、そもそも部活にかけれる時間は人生の中でも短いので、ケガをしっかり予防することが重要です。そのために、このような肢位を取らないようにする用具を開発しています。卒業した現在も先生たちと一緒に研究を進めていて、世界に向けて発信できる論文の執筆にも挑戦しているところです。研究者、臨床士としてのレベルをより上げていきたいと考えています。
受験生へのメッセージ
実践的な学びを通して
技術も心も磨いていける場所。
大阪電気通信大学の※は先輩と後輩のつながりがしっかりしていると思います。先輩たちが実技の練習を見てくださったり、「そろそろテストだから練習しよう!」と声をかけてくれたり、学生同士のつながりの中で、技術や心を磨くことができました。他の大学で学んできた理学療法士の方と比べても、大阪電気通信大学で学んだ人は、実技の練習をしっかり積んできていると思います。
みなさんもここで理学療法士の専門的な技術や心構えを養い、目標に向かって進んでください。きっと未来を切り拓いていけると思います。