株式会社堀場製作所モビリティ&エナジー事業本部
プロジェクトエンジニアリング部

持続可能な社会のために
自動車の未来をつくりたい

丸山 友希さん/2018年 電子機械工学科卒業(兵庫県 科学技術高等学校 出身)

現在の仕事内容

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、
自動車の排ガス試験を追求していく。

わたしがいま携わっているのは自動車開発関連の仕事です。堀場製作所では分析・計測という側面から、自動車産業のパートナーとして、電気自動車、ハイブリッド車、自動運転車などあらゆる自動車開発のサポートを行っています。幅広い分析・計測機器のなかで、環境負荷を低減するために開発された自動車から排出される排気ガスを測定する装置があります。わたしは、主にその装置を自動車関連メーカーの自動車開発試験室に設置するためのレイアウト設計や現場でのお客さまとのコミュニケーション、搬入・設置の監督等を担っています。

自動車が実際に走行している状態を再現するためのシャシダイナモメータというローラーや、試験環境の温度を一定にするための空調設備も扱っていて、試験室全体をお客さまの要望にあわせて最適な形にプロデュースすることがわたしの仕事です。

法律や規制が変わるたびに、求められる試験内容も変わっていきます。お客さまごとに試験室の状態やご要望も違うため、しっかりコミュニケーションを取りながら、使い勝手やメンテナンスのしやすさを一番に考えています。一度装置を納めて終わりではなく、製品トラブルや改善点は、すぐ設計開発部門にフィードバックを行い、現場目線での改善活動を行う日々。円滑に仕事を進めるためにも、日頃から設計開発部門の方ともコミュニケーションを取り、お互いが助け合えるような関係づくりを大切にしています。

入社したきっかけ

「はかる」技術で地球環境をよくしていける。
メカトロニクスの知識を活かして役に立ちたい。

就職活動を行う中で、就職課から堀場製作所を紹介してもらいました。堀場製作所は、分析・計測機器といった「はかる」技術を通して、自動車や医療、半導体、宇宙、地球環境等、幅広い分野に貢献しています。ここでなら、わたしが学生時代に培ってきたメカトロニクスの知識を活かしていけると感じました。この会社は、京都発祥ですが、世界に約50のグループ企業があり、実は日本人よりも海外の社員が多いグローバルな一面も持っています。さらに堀場製作所は、「おもしろおかしく」というユニークな社是を掲げています。ここでなら、おもしろおかしく働けるのではないかと思い、入社を決めました。

仕事のやりがい

高性能の自動車をともにつくるパートナーとして、
お客さまに寄り添い続けていく。

わたしの仕事は、持続可能な社会づくりに深く関わっています。大好きな自動車にかかわりながら環境問題を解決につなげていけるところにやりがいを感じています。たとえば、昔の自動車の排気ガスは、黒煙を出している場合が多かったですが、現在は黒煙も出していない場合がほとんどです。環境負荷を低減しながら高性能の自動車をともにつくるパートナーとして寄り添えることに誇りを持ちながら仕事に邁進しています。

今後の目標は、日本国内だけでなく、世界中の自動車メーカーにソリューションを提供できる人材をめざしてチャレンジすること。その想いを胸に、今日も試行錯誤を重ねています。

大学に入学したきっかけ

オープンキャンパスで見たロボットや加工装置に
心を打たれて、電子機械工学科へ。

わたしは物心ついた頃から家電が好きで、いろんなものを分解しては家族を驚かせていました。小学生になる頃には父からもらったパソコンを触っており、電子基板を組み立てる教室にも通っていました。その後は、ロボットや電子回路を学べる高校に進学。電気について学ぶうちに、電気をつかってモノを動かしてみたくなりメカトロニクスにも興味が広がっていきました。

電子機械工学科は、電気もメカトロニクスも学びたいわたしにとってぴったりの環境。大阪電気通信大学のオープンキャンパスに参加した時に、酸素を運搬するロボットや、最新の加工装置等を目の当たりにし、ここでなら最先端の技術を身につけることができると感じて、入学を決めました。

印象的な大学での学び

実際の患者さんからフィードバックをもらいながら
モノをつくり続けた。

実際に大学に入ってからは、旋盤やマシニングセンタ等の装置を触りながらモノをつくるチャンスが数多くありました。制御工学・プログラム・材料・図面等の授業で修得した内容は、いま堀場製作所で扱っている製品にも欠かせない知識になっています。子どもの頃から、いろいろなモノに触れてきましたが、大学で基礎から知識を学べたことで「なぜそう動くのか」という原理がわかるようになり、メカトロニクスがさらに面白くなっていきました。

研究室では、大手メーカー出身の先生のもとで肺に病気を抱える患者さんの移動をサポートするロボティクカートの開発に取り組みました。在宅で酸素療法をされている患者さんは、外出の時に約5kgの酸素機器とカートを持ち歩かなければならず、移動に負担がかかっています。その負担をできるだけ少ないコストで解消するために、ロボティクスでパワーアシストするカートの開発をめざしていました。実際の患者さんに使ってもらい、厳しい意見もいただきながら何度も改善を続けていました。

実際に自分たちの開発を待っている患者さんがいて、その患者さんたちの中には、病状が悪化して亡くなってしまう方もいます。一日も早く、患者さんのもとに届けなければならない。その責任の大きさを肌で感じながら研究開発を行っていました。その経験は、いまの仕事にもつながっています。予め想定されるリスクを洗い出し、責任を持って装置を安定稼働させるという意識を強く持ちながら、仕事と向き合っています。

受験生へのメッセージ

楽しみながら手を動かし
本物の技術者になれる場所。

電子機械工学科は、広く深くメカトロニクス分野の知識を身につけることができます。社会に出ても電気、機械、プログラム等の知識を活かして、さまざまな分野で活躍できると思います。また、学業以外で役に立ったと感じるのは研究室での日々です。企業出身の先生のもとでメールの書き方や、書類の提出の仕方、期限を守ることの大切さ等、社会人として必要なことを数多く学ばせてもらいました。

さらに、自動車部で同級生のみんなと一緒に車のエンジンを載せ替えたり、マニュアル車をオートマチック車に改造する等、実際にモノにふれて学ぶ機会もたくさんありました。みなさんもここで多くのことを吸収してください。きっと未来につながると思います。