東映株式会社デジタルセンター ツークン研究所

デジタル技術を駆使して
いままでにない
映像制作にチャレンジしていく

市田 俊介さん/2016年 デジタルアート・アニメーション学科※1卒業・2018年 本学大学院 デジタルアート・アニメーション学専攻※2修了
(大阪府 大阪電気通信大学高校校 出身)

※1 現 ゲーム&メディア学科
※2 現 デジタルアート・アニメーション学コース

現在の仕事内容

デジタルとリアルを掛け合わせた
ハイブリッドな映像作品をつくり続ける。

わたしは、東映の研究機関であるツークン研究所で、ディレクターとしてチームを率いながら映像制作を行っています。商品のプロモーション映像から、キャラクターが登場するようなエンタメ要素の強い作品まで、幅広い現場を経験しています。

その中で、わたしが積極的に取り組んでいるのが、オリジナル作品を制作すること。入社3年目の時に、わたし自身が監督を務めた『HYBRID』という作品では、リアルタイムCGやVFX撮影、モーションキャプチャー等、ツークン研究所の技術を掛け合わせたことで、CGのロボットと実写の少女が一緒に闘う“ハイブリッド”なアクション作品を生み出すことができました。さらに、プライベートでも、大学で出会った友人たちと、作品を撮り続けており、仕事でもプライベートでも、映像制作に没頭する毎日を送っています。

入社したきっかけ

最先端のデジタル技術を活かして制作できる
チャンスに溢れた環境。

わたしには、「デジタル技術を駆使する映画監督」になりたいという夢があります。その夢に近づける環境を探している中で、大学の就職課の方からツークン研究所を紹介してもらいました。ツークン研究所は、最新技術を研究開発しつつ、それを実際の映像制作に活用し、いままでにない映像作品をつくり続けており、とてもチャンスに溢れた環境だと感じました。

就職課の方の紹介とサポートのおかげでご縁をいただき、面接したその日に内定をいただくことができました。

仕事のやりがい

リアルタイム合成等の最新技術を活用し、
作品のクオリティを高め続けていく。

映像制作の技術は日々進化しており、その技術を自分で使いながら制作に活かしています。そのひとつにリアルタイム合成技術があります。従来は、グリーンバックと呼ばれる緑色の幕を背景にし、その前でキャストが演技を行ったのち合成していました。しかし、この技術を活用することで、実写映像とCG映像を撮影現場でリアルタイムに合成することが可能になります。

そのような最新技術を使うことで、作品のクオリティを高めつつ、コストダウンや、VFX撮影におけるイメージ共有の円滑化等にも役立てています。さらに、技術を使うだけではなくフィードバックを集めて、研究としてよりよい技術に磨き上げていくことも大切にしていました。そのような挑戦を積み重ねた結果、お客さまから作品について満足していただき、次の作品を制作する時に、ご指名をいただけたりした時には大きなやりがいを感じました。

大学に入学したきっかけ

モーションキャプチャースタジオや映像スタジオ
映像制作に没頭できる環境に惹かれた。

わたしは、子どもの頃からぜん息があり、家で過ごす機会が多かったのですが、その時は、親がレンタルしてくれた恐竜や宇宙船が描かれた映画作品を見て過ごしていました。CG技術を活用した架空のキャラクターが出てくる作品を見ているうちに、わたしもこのような映像作品をつくりたいと思うようになりました。

中学生の頃から映画監督になるためにはどうしたらいいのかと進路について考えていた時に、大阪電気通信大学を見つけました。わたしは、映像の中の“動き”にとても関心があったので、モーションキャプチャースタジオや映像スタジオ等、さまざまな機材や施設がある大阪電気通信大学の環境に魅力を感じて、入学を決めました。

印象的な大学での学び

映像制作、シナリオづくり、プロジェクト管理。
現場で活きる技術を幅広く学修できた。

特に印象に残っている授業は「映像制作実習」です。この授業は、いままでかかわりのなかった学生とチームを組んで映像作品を実際につくります。スキルや趣味、趣向が違う人が集まってひとつの作品をつくり上げていく、その難しさと楽しさを感じることができました。他にも、シナリオを学ぶ授業では、さまざまな映画をシナリオやキャラクターの観点から分析し、物語、ストーリー、キャラクターに現実感を持たせて表現することの大切さを学びました。そこで得た知識は、現在のシナリオ制作にも直結しており、作品の世界観づくりにも大きく役立っています。

さらに「電ch!(デンチャン)」も映像制作に関する知見を広げてくれました。「電ch!」とは、学生とプロのスタッフが一緒になって作品を制作するプロジェクトです。そこでわたしは手を挙げて「CYBER DIVE」というSFアクション作品の監督を経験するチャンスを獲得。わたしは、活用できる設備はなんでも使うと心に決めて制作に打ち込みました。キャラクターの動きは、学内のモーションキャプチャースタジオで撮影し、キャラクターが身につけるアーマーは3Dプリンターで制作、さらに学内のホールを舞台にしてクライマックスシーンを撮影。この大学で制作しなければ生まれなかった作品に仕上がったと感じています。試行錯誤を重ねたアクションシーンの撮影、スタッフとの緻密なコミュニケーション、制作ディレクション等、「電ch!」での経験すべてが、いまの仕事に活きています。

4年間の制作経験を活かして、さらに表現の幅を広げたいと思い大学院にも挑戦。VRやCG作品等、幅広い技術を学べただけではなく、数多くの人との出会いがありました。アクション業界の著名な方と出会えたり、自身の作品を見てもらって評価してもらえたり、お金では買えない体験を、大学院でも得ることができました。

受験生へのメッセージ

チャンスは無限に広がっている。
やりたいことを、全力で取り組んで欲しい。

大阪電気通信大学は、機材や施設、経験豊富な先生方がいる中で制作が行える場所です。つまり「やりたいことがあればなんでもできる環境」と言えるのではないでしょうか。わたし自身、やりたいことを先生に相談し、映像制作を行った経験が、いまの映像ディレクターの仕事にも、将来の夢にもつながっています。やりたいことがあるという人は、思う存分取り組める環境です。

もし、やりたいことが見つかっていなくても問題ありません。学内には、制作意欲の高い人がたくさんいます。やりたいことがある人と一緒に制作することで、自分のやりたいことを見つけてきた人を何人も見てきました。やりたいことがある人にも、そうでない人にも、チャンスは無限に広がっています。制作を楽しんで前に進んでください。きっと、未来へつながると思います。