趣味はDIY。最近、庭にプレハブ小屋を置いて、フローリングにしたり棚を取り付けたりして工作室に。3Dプリンターを使って、いろんなものを作ったりもしています。
植野准教授は、AIの機械学習を活用し、ボードゲーム・オセロに取り組む人間の、スキルや癖なども含めた振る舞いを模倣することができる「模倣学習エージェント」を開発。自らの戦術やスキルを可視化して振り返り、教育的な“鏡”として「模倣学習エージェント」が利用できるかを検証しています。
世の中には機械学習を使ったさまざまなAIが活用されています。
機械学習の手法であるディープラーニングなどにより、素早く正確率が極めて高い分析や判断が可能になりましたが、その結果に至る根拠や理由は示されないことから、“ブラックボックス”といわれています。そこで、示されない部分を説明できる=可視化できる“ホワイトボックス”型のAIが研究されています。これがXAI(eXplainable AI)=説明可能なAIです。
植野准教授は、従来のAIに触れた経験から、もっと人間に寄り添うAIが必要なのではないかと考え、学習者の振る舞いを模倣することができる「模倣学習エージェント」を構築。これにXAI技術を組み合わせることで、学習者が持つ戦略を可視化し、戦略の学習に用いることができるかを研究しています。
教育エージェントの1つである「模倣学習エージェント」は、オセロをプレイするプレイヤー(人間)の振る舞いを模倣して、同じように振る舞えるように学習します.
その上でこの模倣学習エージェントと対戦したり、その戦略を可視化することで、学習者が自らの暗黙的戦術・戦略スキルや思い込み、弱点や見落としていた点までをも振り返り客観視することで、軌道修正したり改善を試みたりすることが可能になります。
エージェントを教育的な意味での「鏡」として機能させ、それと対話することで教育を行うという発想です。学習者とエージェントとの能力差が小さいほど、その欠点や問題に気付きやすくなると考えられ、高い教育効果が期待できます。
模倣学習エージェントが学習したことを構築できた段階で、その戦略がどうなっているかを抽出できれば、体験的・対話的な学習――要するに相手が必要であるさまざまな学習に用いることが可能になると考えられます。
たとえばオセロ以外のボードゲームなどの対局、eスポーツや討論、外国語会話、スポーツの対戦などで教育に活用することも考えられますし、教師が「バーチャル生徒」を利用して、指導方法を学習することも考えられます。
各種取材や研究に関することなど、
お気軽にお問い合わせください