ゲームの起源は、文明の黎明期まで遡ると考えられています。ゲームは、長い歴史の中で、人間の暮らしや文化と深く結びつきながら発展してきました。ゲームは仲間と楽しむだけのものではなく、神事とされたものもあり、世界を旅して、各国に根付いたりするなど、東西を問わず多様な形をとっています。
木子研究室では、人間社会や文化とゲームの関わりを探求し、ゲームの本質を知ることを通して、ゲーム作りに生かしています。
木子研究室では、日本最古の盤上遊戯である「盤双六」を研究テーマとしています。このゲームは中国から伝来し、そのルールには陰陽五行思想や人間の生き方に通じる要素が見られます。ルーツやルールにはまだ多くの謎が残されており、日本に伝わった際にはさまざまな作法が定められました。このため、「盤双六」はゲームの歴史や人間文化との関わりを探るうえで、非常に興味深い研究対象です。
また、日本では貴族の遊びとして『源氏物語』『徒然草』などの文学作品に登場し、江戸時代になると遊郭の遊びの一種でもあったようです。盤双六は日本に伝わった際にさまざまな作法が定められたことなど、ゲームの歴史や人間・文化との関わりを読み解くのにも格好の研究対象と言えそうです。
研究だけでなく、盤双六を多くの人に楽しんでもらいたいと考え、積極的な活動を行っています。地元、四條畷市と連携して小学生に盤双六を体験してもらうイベントを実施したのもその一つ。学生が企画や交渉にあたることで、遊びがもたらす人同士のつながりやゲームを通じた学びの可能性などさまざまな視点を学んでいます。
その他、地域の歴史や文化の保存活動を行っている団体から依頼を受け、地元ゆかりの武将・楠木正行(まさつら)を広報し地域活性化につなげるための絵本やかるたの制作にも取り組みました。社会問題と向き合う貴重な経験であると同時に、制作を通して心をつかむ展開やリズムなどゲーム作りに役立つテクニックが学べる場にもなっています。
「ゲームの時間」という考え方が世界的に注目されており、ゲームと遊びの理論的探究から実社会の応用まで、多岐にわたる研究が行われています。ボードゲームを囲んで楽しんだり、盤をはさんで向かい合ったりする時間は、人同士のつながりを深め、心の余裕をもたらします。
時には、着物を着てお香を立てて、古代ゲームを楽しむ「ゲームの時間」をしましょうか。
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