NAGATA Takeshi
総合情報学部 ゲーム&メディア学科 准教授
大学院 総合情報学研究科 デジタルアート・アニメーション学コース 准教授
映像作家
CG / 映像デザイン / バーチャルリアリティ

ゲームや映画が好きで、仕事と趣味がシームレス。ゲームはインディゲームも含めていろいろ楽しみます。映画はついプロ目線になってしまい「誰が監督?」「興行成績は?」など検索してしまいます。

つくる側と観る側の壁を取っ払った
今までにない空間で生まれるビジュアルアート

技術の進化に伴い、常に新しいアート性が開拓されていくビジュアルアートの世界。
ナガタ研究室ではARMR 技術の可能性を追求し、つくる側と観る側、現実世界と仮想世界をつなげる取り組みを進めています。それらが双方向にやりとりする関係性を通して、ユニークな視覚表現を生み出しています。

『星の王子さま』の物語世界が
AR技術でさらに自由な広がりを持つ

ナガタ准教授は、アートユニット「トーチカ」として作家活動を行っています。その一つ「見えざるものと王子さまの旅」は、サン=テグジュペリ『星の王子さま』を原作にしたメディアアートです。

展示会場では、スマートフォンやタブレット越しに3DCGやアニメーション作品がARとして現れます。遠隔地からビデオチャットでコミュニケーションできるアバターロボットがガイドを担当。また、王子さまからのお願いに応えて来場者がペンライトで絵を描いたり、展示会場の地元の方を対象に、ある方向から見た時だけ羊が浮かび上がってくるように壁画を描いてゆくワークショップなど、インタラクティブな仕掛けがいっぱい。作り手と見る側がシームレスにつながるアート空間を創造しています。

見えざるものと王子さまの旅

PIKA PIKA WS Forest Museum2019
ポーラ美術館のイベント「Forest Museum」では、長時間露光で光源の軌跡を焼き付けるライトペインティングと音づくりを組み合わせ、参加者全員でアート作品をつくりあげている

宴会の席でプロの落語を鑑賞!? 
モーションキャプチャーで動きを再現した「AR落語」

一方、ナガタ研究室では、新しい映像コンテンツ「AR落語」をゲーム会社・株式会社スケルトンクルーと共同で開発しています。

上方落語界で活躍する桂米紫師匠に落語を演じていただき、体の動きをキャプチャー。手先の動きや表情、声もそれぞれ別のデータとして収録します。たとえば表情は、iPhoneの顔認識機能で収集したデータに自然な動きになるよう調整を加えるなどし、各要素をキャラクター化した落語家が演じる動画として統合しました。すでに公開中ですが、花見の席でAR落語を楽しむなど風流な使い方をする人もいるとか。

現在も開発を続行中で、新バージョンでは、見ている人が「匠の技だ!」といった定型コメントを送信できる機能の追加を予定しています。

AR落語

現実を拡張する技術の進化で
ビデオアートの世界も次の時代へ

「AR落語」なら、海外の人でも気軽に日本の伝統話芸を堪能できます。ARやMR技術は実空間とデータ上の空間をシームレスにつなぐだけでなく、いろんな境目を飛び越えていける力をくれそうです。
現実の風景とバーチャル映像を重ね合わせる半透明ゴーグルなど、MR⽤のデバイスが、服や腕・顔に装着できるレベルまで進化すれば、その場にいる人がひとつの仮想世界を体験できるシステムも普及するはず。そんな時代に生まれる新たなビデオアートに、乞うご期待!

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