趣味は芸術鑑賞とLEGO(Technicシリーズ中心)。現代アートは年に約50の展覧会を鑑賞し、一日に3カ所以上廻ることも。幼少期から親しむLEGOはMindstormsでのロボット製作から本格化、数千パーツを数日かけて組み立てるのが楽しみ。
テクノロジーとともに多様化し、進化するゲームの世界。新しい技術の開発だけでなく、既存の技術をうまく組み合わせることで、全く新しい面白さが生まれることがあります。
魚井研究室では発想力を活かしたエンタテインメントゲームの開発に取り組んでいます。
超小型コンピュータのRaspberry Pi(ラズベリーパイ)やArduino(アルディーノ)を、LEDやセンサーを備えたキューブ状の電子機器に繋げてコーディングすれば、テキストの読み上げ、動きや環境の変化の検知、色やパターンを変えた発光といった動作が可能になります。他にも、転がるボール状のロボットやVR空間を走り回る靴など、デジタルガジェットは多種多様です。
魚井研究室では、ガジェットを使ったゲーム開発に取り組んでいます。そこで問われるのはプログラミングの知識に加えて、“おもろい”アイデア。異なるガジェットの組み合わせや着眼点など、発想力を鍛えることが欠かせません。その集大成ともいえるのが、デジタルホラーハウス。プログラムで自動化し、デジタルで最恐のお化け屋敷を作ろうという試みです。
観客の動きや目線に合わせ、仕掛け人が絶妙なタイミングでアクションを起こすのが一般的なお化け屋敷。これが機械仕掛けだと、パターンが予測できあまり怖くありません。
そこで、2015年から人を使わない「完全デジタル恐怖体験」の実現に挑戦。VR空間の中で観客の動きに応じて仕掛けを自動化し、魔物や鬼に追われるなど、毎年テイストの異なる恐怖を創作しています。
エンタテインメントのひとつとして、観客が感じた「恐怖度」を数値化するために、バイタルサインなどを測定した実験も併行して行っています。振動するイスで鑑賞するタイプ、VR空間を走行する靴など、装置も年々進化を続けています。コロナ禍では限られた人にしか体験してもらえませんでしたが、現在は商用化も視野に入れながら学外のゲームショーや展示で観客の反応をリサーチ中です。
無限にお金と時間があり、技術も材料も完璧に整っている──そんな恵まれた環境は現実的にはありません。既存のガジェットを組み合わせるなど、限られた条件の中でいかに最大の面白さを生み出せるか?
ゲームメーカー等の実社会では、こうした研究で培う発想力・柔軟性こそ、真に求められる能力なのです。
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