INAURA Aya
総合情報学部 デジタルゲーム学科 講師
先端マルチメディア合同研究所 運営主任
博士(情報学)、修士(工学)/ Executive MBA
大阪電気通信大学 / NUCB Business School
教育工学 / 教育コンテンツデザイン / プレゼンテーション教育 / コミュニケーション力育成

ガールスカウトの現役リーダーであり、休日は子どもたちや中高生たちと様々な活動を楽しんでいます。地域の和太鼓グループにも所属しており、夏や秋にはお祭りで演奏しています。思い切り太鼓を叩くと楽しくて良い気分転換になります!

言葉から、マナー、アート、SDGsまで
教育や課題解決のツールとしてゲームを捉える

エンタテインメント性だけでなく、学習や体験、関心を呼びさますことで、社会的な課題の解決を目的としたゲームをシリアスゲームといいます。
稲浦研究室では、多彩なシリアスゲームの開発や、ゲームのワークショップを開催してその普及に努めています。

この色とこの色を混ぜたら何色になる? 
混色を学ぶカードゲーム「いろ計算」

ゲームの「楽しさ」「競い合う」といった性質を学習に取り入れることで、勉強に向かう姿勢を変えることができます。稲浦研究室では、学生が自分たちの興味に基づいた学習ゲームを数多く開発しています。

たとえば「いろ計算」は、6歳以上を対象とした混色を学ぶためのカードゲーム。104枚のカードの表に色のたし算と引き算が記述され、裏には正解の色(全18色)が塗られています。これを積み上げてプレイヤーが順番に回答し、正解者に得点が与えられます。絵を描くことが好きだった作者が、小学生になって混色に苦手意識を持った経験から、楽しみながら色を学ぶゲーム制作につながりました。

このゲームは2021年度卒業研究・卒業制作展「なわてん」でゲーム部門賞を受賞。この他にも、敬語と丁寧語を学ぶ・五大栄養素を学ぶ・ハングルを学ぶ・世界の郷土料理を学ぶといった学習ゲームが開発されました。

いろ計算
色見本表を見ながら、出題された色を考えることができる。ゲーム制作で最初に設定するのは、対象年齢。集中度や理解力に応じてゲームの概要設計を行う。既存のアナログゲームのルールや見せ方を決めた上で、オリジナリティを付加する

SDGs達成への道のりを体験する「2030SDGs」 
ワークショップ開催で問題意識を醸成

ゲームには学習以外にも、社会問題に対する意識喚起の要素を組み込むことができます。

たとえばカードゲーム「2030SDGs(一般社団法人イマココラボ/代表理事 稲村健夫)」は、与えられたお金と時間を使い、SDGsの達成をめざして2030年までの道のりを体験するゲーム。公認ファシリテーターである稲浦講師は、建築学科の添田研究室 や、ゲーム&メディア学科の森田研究室と合同でワークショップを実施。自分の行動が社会・環境・経済にどのような影響を及ぼすのか、地球に暮らす人々にとってより良い社会とは何なのか、わたしたちには 何ができるかを摸索することができます。

稲浦研究室の学生もSDGsを学ぶゲームや、外来生物を学ぶゲームを開発していています。「ゲームを通して学ぶ」ことで、ものごとに興味を持ち、主体的に捉え、自らの行動につなげていくことができます。

「SDGs 」ワークショップの様子
「2030SDGs」を体験する稲浦研究室と添田研究室の学生たち。ゲームを楽しみつつ、自らできることを考えることにつながっている
学生が開発した啓発型ゲーム
Happy World with SDGs」……SDGsを知らない人が楽しみながら学べるボードゲーム
学生が開発した啓発型ゲーム
生物研究〜生態系を調査せよ」……生物学者になって生物や環境を調査するボードゲーム

良い教育を効果的に展開する方法を考える
教育工学は、これからの社会人に必要な物の見方

稲浦研究室の専門分野である教育工学は、良い教育を効果的にかつ創造的に展開する方法を追求する学問です。
多様な価値観をシェアしながら計画的にプロジェクトを進行する能力が求められる今後の社会では、こういった考え方はあらゆる産業において不可欠な物の見方になるでしょう。

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