SATO Reika
総合情報学部 デジタルゲーム学科 准教授
大学院 総合情報学研究科 デジタルゲーム学コース 准教授
博士(設計学) / 一級建築士
中国江南大学設計学院
コンピュータグラフィックス / バーチャルリアリティ / 異分野のゲーム応用
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趣味として休みの日にコーラスや民俗舞踊の活動などを行っています。民俗舞踊は、中国各地に残る伝統舞踊をレパートリーに、様々な日中文化交流のイベントで発表しています。

社会の問題を「超現実」で解決 
医療、福祉・健康分野にゲーム技術を応用

ち密でリアルな表現が可能な3DCGや、まるで現実のように仮想空間を体験できるVR。ゲームに関連する多様な先端技術を、さまざまな領域へ活用する動きが活発になっています。
佐藤研究室ではゲームの技術と考え方を応用し、医療、教育、福祉や健康など幅広い分野の問題を解決する研究を進めています。

手術見学の教育効果をもっと高めるには? 
VR空間でとことん学ぶ手術学習支援システム

ゲームの技術と考え⽅を応⽤し、医療や教育現場での課題を解決する。その一つが、関西医科大学と共同で行っている手術学習支援システムの開発です。

実際の手術を見学する授業は医学生にとって重要なプログラムですが、特に内視鏡手術などになると内視鏡カメラが撮影する小さな範囲しか見ることができず、内容が十分に把握できないなどの問題点がありました。そこで手術室内をVR空間に再現し、手術の内容を表現した3DCG動画や説明テキストなどを配置するシミュレーションシステムを開発。3DCG動画は視点や視角を自由に変えて見ることができ、さらに周辺臓器を透過させるなどして本来は見えない角度からも手術の動作や手術器具の操作を確認できます。

また3DCG動画と同時に内視鏡カメラで撮影された手術の実映像も見られます。

手術学習支援システムのホーム画面
手術室内の様子や医療器具に至るまで克明にCG化しVR空間として再現
上)V R空間 下)実際の手術室画像
左)内視鏡手術のシミュレーション画像   右)必要に応じて実画像も参照できる

模範動作に近づくほど得点が上がる
楽しく続けられる高齢者向け体操ゲーム

一方、福祉・健康分野では高齢者向けの健康体操も研究テーマの一つです。

体操は手をきちんと伸ばすなど模範通りにやれば効果がより上がりますが、指摘されないと自分の動作の欠点に気づけません。そこで、より楽しく体操を続けてもらうよう、模範の動作に近づくほど点が高くなるゲームを開発。インストラクターによる体操動作からモーションキャプチャーで関節位置を解析し、模範としてキャラクターに動作させます。それを見ながら体操をするプレイヤーの動作をリアルタイムに解析し、模範動作との違いを判定して得点に反映させる仕組みです。

佐藤研究室では、ゲームの楽しさによって努力や苦労を感じずに効果を上げることを目標に、多彩な開発を続けています。

正しい動作との比較を行う
モーションキャプチャーで関節の動きをデータ化する

手術教育やサポートの充実で
先端技術を使いこなすゴッドハンドを育てる

佐藤研究室が取り組む手術学習支援システムでは、遠隔操作での手術を可能にする手術支援ロボット「ダヴィンチ」 の使用を再現しています。
ロボットアームについた鉗子やカメラを遠隔操作して行う手術は、すでに一般的になりました。ゲーム技術の応用によるシミュレーション技術が発展すれば、こうした最先端の医療ツールに習熟するスピードを速めることが可能になるかもしれません。また、インターネット上の仮想空間メタバースを使って熟練の医師が遠隔で指導するなどサポートも期待できそうです。

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