列車でいろんなところを回るのが好き。仙台で過ごした学生時代は「青春18きっぷ」を使って夜行などを乗り継ぎ、1日ぐらいかけて実家に帰省していました。今はなかなか時間が取れないのが残念。
江原研究室が取り組んでいるのは、情報技術を活用したコミュニケーションや感情の動きの分析です。
テキスト(文章)中の単語や単語同士の関係から内容を判断し、特徴を抽出するテキストマイニングの手法を駆使。分析結果のビジュアル化で、効率化や新たな傾向の発見につなげています。
テーマの一つは、心理カウンセリングの会話を記録したテキストデータを使った視覚的分析です。心理カウンセラーの世界では、スキルアップのためベテランがカウンセリング記録を基に分析や、経験の浅いカウンセラーの指導をするのが一般的。しかし膨大なテキストデータの内容をチェックするのは手間がかかります。
そこで、テキストマイニングを使ったデータ分析と可視化の方法を探っています。カウンセラーとクライエントの発話内容を、設定したキーワードの出現頻度などによってカテゴリーに分類し、それぞれが出現するタイミングや発話量をグラフで可視化。さらに、カウンセリングを通してクライエントの認知の修正の進行などを可視化する試みも進めています。
また、SNSのデータを使った感情分析についても研究しています。女性特有のがんを抱える人たちのSNSに投稿されたテキストデータを分析。記事ごとに内容がポジティブかネガティブか、投稿者の感情がプラス傾向かマイナス傾向かなどを判定し、時系列によるグラフ化を行っています。
手術や診断結果の告知など治療上のイベントとリンクさせるなど、さまざまな観点から感情の動きや揺らぎの傾向を把握するアプローチを模索しています。多くのデータを分析することで、今まで知られていなかった共通の傾向が浮かび上がる可能性も。医療・教育分野などで注目されているピアサポートの仕組みづくりや充実につながる基礎研究としても期待されています。
テキストによる感情分析は、映像や音声による分析に比べてまだこれからの分野です。表情、抑揚といった要素がなく、会話やSNSなど口語表現になるほど言葉が省略され単語同士の関係があいまいになるなど解析が難しいからです。
しかし、メール、SNS、チャットなどテキストによる顔の見えないコミュニケーションは今後も拡大する傾向。会話文から感情が簡単に読み取れるようになれば、感情の行き違いが減ってますます活用されそうです。
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