バンドをやっている子どものエレキギターを借りて弾いているうち楽しくなって。まずはアンプを買って準備万端。このあとフェンダー・テレキャスターを買う予定で、すでに楽器店での試奏もすませました。
「美しい」「かわいい」などと感じる感覚は人それぞれで、万人共通のルールはなさそうです。しかし心理学は、人がよいと判断するものの特徴を明らかにしてきました。
小森研究室では、こうした複雑な感性が一体どこから来るのかを、心理学とデータサイエンスを使って解き明かそうとしています。
たとえば、多くの人に浸透しているある集団への認識や思い込みであるステレオタイプの研究もその一つです。
阪神ファン歴10年以上の大学生8名に顔の画像2枚を提示し、「より阪神ファンらしい顔」、「より巨人ファンらしい顔」を選んでもらう課題をそれぞれ100回ずつ実施します。その結果を複雑な統計手法を駆使して処理し、平均的に「最も巨人ファンらしい顔」「最も阪神ファンらしい顔」の要素を推定。深層学習を使って合成した2つの顔の違いは、自分が属している集団と属していない集団に対する偏見によるもの。
小森研究室では、このステレオタイプも含め、一人ひとりの感性が何によってつくられるのかを解明したいと考えています。
合成された阪神ファンの顔・巨人ファンの顔のように、集団の感性を平均化し具体的な形にして見せていくような試みは、マーケティングや商品開発などへの応用が考えられます。
小森研究室では、商品コンセプトに合うシャンプーボトルの研究にも取り組んでいます。
さまざまなシャンプーボトルから特徴を抽出して組み合わせた容器の形を3次元で表示。2つの候補の中から商品コンセプトに合ったものを選択することを、さまざまな組み合わせで何度も繰り返します。その結果を統計処理し、多くの人が考えるコンセプトに合ったボトルの形を導き出します。
こうした研究は、人々の感性に合ったサービスや製品、環境などの提供につながっていきます。
何か新しいものを生み出そうとするとき、普通は「こうすればうまくいくんじゃないか」という仮説に基づいて物事を進めます。ところが、阪神ファン・巨人ファンの顔もシャンプーボトルも、何の仮説もないところから生まれているのがユニークな点。
データサイエンスの理論を使って人の感性の解析を行うことで、まだ人間が見たこともないけれどグッっとくるような、美しいもの、楽しいもの、かわいいものがつくり出せるかもしれません。
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