2019.08.27
工学部環境科学科の中田研究室が、和歌山県田辺市の果樹園にて鳥獣による農作物被害調査を実施しています
農作物に対する鳥獣の被害は全国的な問題ですが、和歌山県では特にミカン、ウメなどの果樹に対するイノシシ被害が深刻です。
2018年度より、工学部環境科学科の中田研究室では卒業研究の一環として、和歌山県田辺市の果樹栽培農家に協力し、その被害防止を目的としたフィールド調査を行っており、果樹園内の被害状況や侵入防止柵の効果などを、現地の気象状況とともに定期的に調べています。
独立電源型遠隔監視システムの設置の様子
今夏には、屋外ネットワークカメラを果樹園内に2台設置して、どこからでもスマートフォンやパソコンによって自動で監視できるシステムを構築しました。電源のない山間部の果樹園ですが、太陽光パネルとバッテリーの独立電源を装備しており、いつでもリアルタイムで遠隔監視ができます。
設置した監視カメラシステムによって、イノシシ、タヌキ、テン、ウサギなどの獣類が確認され、特にイノシシに関しては、果樹園への侵入時間の傾向や群れの様子など、その生態が明らかになってきました。
ウメの木の根元を掘って餌のミミズを探すイノシシ(ウリボウ)
中田研究室では卒業研究の主要テーマとして、監視カメラシステムなどを構築し、鳥獣害防止の有益な情報提供を地元の農家の方への情報提供を行っています。
8月にはこれらの情報から、地元の猟友会の方の指導のもと、市の農業振興課より箱わな(捕獲用の檻)を調達して設置しました。
設置した太陽電池パネルと監視カメラ
一連のフィールド調査は、中田研究室の生物班3人が実施しており、これらの結果は卒業研究の成果となるだけでなく、地域貢献もできるユニークな取り組みとして好評を博しています。