通信工学科3年生は、昨年度より「卒業研究室配属」をオープンな形でネットワーク通信によりリアルタイムで実施しています。ノーベル経済学賞を受賞した安定マッチングアルゴリズムを採用したので、学生と教員の双方の希望を最大限に叶えることができます。
手順としては、学生は第4希望まで配属したい研究室をWeb上にて電子投票します。各教員は自由な評価基準で受け入れたい順に学生を並べたリストを準備し、それぞれのクライアントにセットします。このリストはMD5ハッシュという技術により偽造防止されます。学生を代表してサーバは第1希望から順に希望する研究室のクライアントに配属を願い出ます。各研究室のクライアントは順位リストに基づいて受け入れの可否をネットワーク通信で回答するという流れです。希望が叶わない学生も教員評価が高い方の研究室に配属されるので、全員の配属が決定します。後の集計により93.8%の学生の希望が叶っており、配属方法に関するアンケートでも98.7%の学生が従来の方法より安定マッチングを利用した方法が良いと回答し、満足度の高い結果が得られました。
本来は、数秒で終わるものですが、最新のアルゴリズム・通信プロトコル・偽造防止技術などを身近に体感してもらうという学修効果も狙って、しくみを学生たちに伝えるために通信状況をリアルタイムに画面に表示。その様子をみていた学生らは、希望通りに研究室に配属されるのか期待と緊張の表情で画面を見守っていました。
当日は、教員らの入念な準備と学生の協力も得て、無事に配属が決定しました。
最後に、配属された研究室ごとに集まり顔合わせや挨拶を行い、学生たちはこれからはじまるプレゼミ、卒業研究に向けて、各教員の話を熱心に聞いていました。