9月30日(木)、10月1日(金)に計測自動制御学会(SICE)計測部門主催、本学共催でオンライン開催された「第38回センシングフォーラム 計測部門大会 ~新たな地平を切り開くセンシング~」で、情報通信工学部 通信工学科の前川泰之教授が特別講演を行いました。
「センシングフォーラム」は、センシング技術をキーワードとし、SICEの幅広い計測分野での技術交流・情報交換を通じて、参加者の交流・親睦、若手研究者・技術者の育成を図ることを目的に毎年開催されており、研究発表だけでなく特別講演なども企画されています。
前川教授は、2020年度衛星通信研究賞も受賞した「衛星通信回線に対する降雨の影響の長期観測結果」についての特別講演を行いました。
特別講演では、本学の衛星通信研究施設で過去32年間に、主に衛星放送電波(BS、12GHz)を受信して行われた衛星通信回線に対する降雨の影響を詳しく示し、BS(12GHz)およびCS(20GHz、直径5mのアンテナ)による降雨減衰の年間時間率は、世界電気通信連合(ITU-R)が降雨強度から推奨する予測値とほぼ同じ値を示すことを述べました。
2006年以降は温暖化や集中豪雨の増加により、降雨減衰の統計値は降雨強度の統計値と比べて増加傾向にあり、本学寝屋川キャンパスの他に四條畷キャンパスあるいは守口市の大阪電気通信大学高校にもBSアンテナを設置して同様の測定を10年近く行っています。
当日は「この電波観測のネットワークを全国的に広げたら、さらに新しい知見が得られるか」など今後の研究に期待できるような質問も上がり、オンライン上で多くの方々にご聴講いただきました。