11月23日(木・祝)、テクノアイデアコンテスト「テクノ愛2023」最終審査会が京都大学で開催され、本学から3チームが出場しました。このコンテストは、将来の産業・科学技術の発展を担う人材の育成、科学技術やモノづくりへの関心を高めることを目的に、技術に関する幅広いアイデアを広く募集するアイデアコンテストです。
本学からは、教育開発推進センター斉藤幸一特任講師らが担当する「地域プロジェクト活動1・2」の授業で、本コンテストへ応募したところ、応募総数(大学の部)64件中、審査を経て3チームが最終審査会への出場が決まり、プレゼンテーションを行いました。なお、「地域プロジェクト活動1・2」はさまざまな学科の学生が互いの専門性を活かし、授業を通じて社会人としての心構えを育みながら、社会に役立つ技術アイデアを検討する学科横断型のプロジェクト型の授業です。
審査では、ユニーク度(新規性、独創性、着眼点の良さなど)、成熟度(よく考察されている、アイデアの破綻はないなど)、実用性(実際に役立つ、応用の幅があるなど)、アピール度(説得性がある、インパクトがあるなど)が評価項目として設定されております。
最終審査の結果、本学3チームともに『奨励賞』を受賞しました。
受賞後学生らは、「これまで研究してきたことが認められ、非常に嬉しいです。まだ反省点も多くあるのでこれで終わらせることなく、今後も研究を継続しさらなる成果を出したいです」と意気込みを語り、授賞式後にはすぐ次の研究活動に向けた打ち合わせをする姿が見られました。
1月9日(火)、斉藤特任講師と受賞学生たちは、塩田邦成学長に受賞報告と研究内容を説明しました。
最終審査会で発表した各チームのテーマは以下の通りです。
◆「要介護者の遠隔見守りサポート」:奨励賞
藤井龍希(工学部 環境科学科1年)
一人暮らしの要介護者が、転倒したり突然意識を無くしたりするなどして、一定時間動きがなかった際、各所に設置したカメラやセンサ、アレクサを活用して自動的に介助者へ通報やメールが届くシステムの開発を発表。本システムにより、異常の早期発見が可能となります。
◆「日本在来種ニホンミツバチを守り増やす巣箱」:奨励賞
下出拓実(工学部 環境科学科4年)、升村航大(工学部 環境科学科3年)、植村陸叶(工学部 建築学科2年)、植村海叶(工学部 環境科学科2年)、大牟禮尚也(工学部 環境科学科2年)、片井悠太(工学部 電気電子工学科2年)
簡単に作ることができ、気温や湿度など外部環境に左右されにくい巣箱の制作をめざして、3Dプリンタで作る錆びない巣箱の検討を行いました。巣箱にはRaspberry Pi(ラズベリーパイ)とセンサを設置し、ニホンミツバチが住みやすい環境を維持するため、湿度と気圧、温度など巣箱の様子をモニタリングし、スマートフォンへ自動的に状況が通知されるシステムをつくりました。今後は湿度や気圧、温度など各種条件の制御まで行うことができるよう、さらなる改良を進める予定です。
◆「パルス電界処理を用いた高健康機能性シソジュースの開発」:奨励賞
中村優斗(工学部 環境科学科2年)、布沢圭梧(工学部 環境科学科2年)、吉川なごみ(工学部 基礎理工学科1年)
京都大原のシソを活用した地域振興を目的にプロジェクトを始動。非加熱で細胞中の内容物の抽出や殺菌ができる「パルス電界処理」技術を用いて、機能性を低下させずにシソを加工できる技術の開発をめざし研究を進める中で、シソの葉にパルス電界処理を施し、ポリフェノールを効率的に抽出できるなどの成果を上げることができました。