医療科学科の水野裕志特任講師が共著で発表したAI技術による病院エネルギー管理の研究で、International Conference on Smart Grid 2020のBest Paper Awardを受賞しました。この賞は、同学会で発表された最も優秀な論文の著者に対し授与されるもので、今年はフランス、パリを拠点に、オンラインで開催されました。
《水野特任講師のコメント》
災害拠点病院では、自然災害に対応するためJIS規格に基づいて72時間の運転が可能な非常用発電機を備えています。
さらに、省エネ推進に加えて積極的に再生可能エネルギーを活用した分散型エネルギーシステムを導入する施設が増えつつあります。しかし、非常用発電機の運転に必要な燃料の維持・保管に課題があり、中小の病院では燃料タンクが空の状態となっている所もあります。いつ発生するか分からない災害時に都合よく燃料を確保できる保証は期待できません。そこで、この研究では、病院をVirtual Power Plant(VPP)として、電力系統の安定に寄与しながら、備蓄燃料を枯渇させないための非常用発電機と再生可能エネルギーを組合せたエネルギーマネージメントシステムを提案しています。
このシステムには、AI分野における要素技術の1つであるディープラーニングを活用しています。これらの技術を基に、
医療科学科に設置される知能情報コースの教育にさらに貢献していきたいと考えています。
■受賞名:Best Paper Award
■論文 :A Hospital Grid with Renewable Energy System Applied to Virtual Power Plant
■著者名:Yuji Mizuno, Yoshito Tanaka, Fujio Kurokawa and Nobumasa Matsui