情報通信工学部 情報工学科 岩本祐太郎講師らの研究グループは、植物の根の成長を駆動する数百個の細胞の振る舞いを精密に計測し、得られた膨大な数値データを統合して人間が直感的に解釈できる形式で提示する技術を開発しました。
この技術は、根の先端を自動的に追尾し時間の経過を含めた4次元の細胞動態を記録する顕微鏡システム、人工知能を用いて画像情報を数値データに変換するプログラム、複雑な数値データを人間の視覚や聴覚に適した形式で提示する人間拡張工学の融合により実現したものです。
この技術により、人間の処理能力を大きく超える膨大な画像データの取得と定量化を機械化し、得られたデータを熟練した研究者がその知識や経験に基づいて解釈する「人機協働」の研究アプローチを展開する道が拓かれます。これにより、生育環境の変動や遺伝子の違いに応じて根の成長が変化する仕組みを精密に調べることが可能になります。根の成長は作物を始めとした植物の成長力や環境への適応力に大きく寄与していることから、この研究成果は、基礎と応用の両面において大きなインパクトをもちます。
この研究成果はPlant and Cell Physiology誌『英国オックスフォード大学出版局 (Oxford University Press)が発行する植物科学の国際誌』にオープンアクセス論文として発表されます。
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