11月5日(日)、寝屋川キャンパスにて「ヒト型レスキューロボットコンテスト2023」(主催:ヒト型レスキューロボットコンテスト実行委員会)が開催されました。ヒト型レスキューロボットコンテストは、災害時の救助活動をテーマに、ヒト型ロボットが障害物をクリアし、要救助者に見立てた人形を救出する競技です。
本コンテストの原点となっている「レスキューロボットコンテスト」は2000年から毎年開催され、ロボット競技を通じてモノづくりの楽しさを伝えるとともに、防災や減災の大切さ、難しさを考える機会を提供しています。この理念を引き継ぎ、さらに多くの方々に防災・減災意識の輪を広げることが本コンテストの開催の目的です。
本コンテストでは競技者がヒト型ロボットを遠隔操作し、約4m×2mのフィールド内で「トンネルくぐり」「段差乗り越え」「ガレキ撤去」「要救助者搬送」の4つのタスクを順にクリアし、要した時間の短さを競います。各タスクに対する審査員による評価も重要視されるのが特長です。「要救助者搬送」のタスクでは、今回から要救助者人形に内蔵された加速度センサーの値から算出するセンサーポイントを導入しました。
当日は学生から社会人まで20人が参加。本学自由工房からは3人が参加し、日ごろの研究成果を生かした自作のロボットで本番に挑戦しました。
個性豊かなロボットたちはほふく前進してトンネルをくぐったり、前転して段差を器用に乗り越えたりする動作を披露。大技が決まるたびに会場内で観戦していた人々からどよめきや拍手が起こりました。最後にガレキの中から救助した人形を抱きかかえて運ぶ場面では会場全体が緊張した空気に包まれ、観客の皆さんはかたずをのんで見守っていました。無事に搬送が完了すると歓声を上げながら安堵の表情を浮かべる人々の姿が印象的でした。
全競技終了後は審査委員長の神戸大学大学院工学研究科機械工学専攻 横小路泰義教授がミニ講演。「極限環境から通常環境へ 広がるロボットの『遠隔操作』」の世界をテーマに、遠隔操作の優位性やデメリットについて解説。「遠隔操作には様々な制約はあるが、ロボットだけではできないこと、人しかできないこと、人がやりたいこと、伝えたいことがある限り、ロボットの遠隔操作はなくならない」と強調しました。
厳正な審査の結果、本学からは自由工房の川端虹晴さん(工学部電子機械工学科2年、ロボット名:山雀)が総合1位である「OECU杯」及び「目視部門第1位」に輝き、ダブル受賞の快挙を成し遂げました。同工房の田中凌也さん(工学部電子機械工学科3年、ロボット名:クラレント)も技術賞を受賞しました。
川端さんは、「練習ではダミー人形を救う際、レンガに腕が引っかかり苦戦しましたが調整を重ね本番に挑んだ結果、今回の受賞に繋がり嬉しかったです」と話しました。
また、田中さんは「忙しい日が続き、レスキューロボットの調整をする時間があまりなく焦っていた時期もありましたが、技術賞をもらうことができて本当に良かったです」と話しました。
本学自由工房では学生による「モノづくり」活動を支援しており、学生の日々の努力が今回のような成果に結びつくよう、これからもサポートを続けていきます。