11月18日(土)-19(日)の2日間の日程で、「白浜ECO‐CARチャレンジ2023」が和歌山県 旧南紀白浜空港の滑走路を使用した特設コースで開催され、本学自由工房 EVプロジェクトチーム「Solar Team Ku-On」が昨年に引き続き出場しました。
2021年までは新型コロナウイルス蔓延の為にイベントを中止していましたが、昨年度より旧南紀白浜空港滑走路を活用して実施。エネルギー事情、原発問題、温暖化ガスなど様々な問題を抱えた日本で普及が重要視される代替エネルギー、クリーンエネルギーの可能性を世間にアピールし、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現の可能性をアピールするイベントとなります。また本大会はエンジニアの育成もテーマとして掲げられており、目玉は学生・社会人チームが出場する完全CO2フリーのソーラーカー走行イベントです。
出場へ向け学生らはカーボンを車体に採用するなど改良を重ね、軽さと耐久性を両立させた車体を作り上げました。また、ホイールやサスペンションアームなどの基幹となる機構部品は学内の3D造形先端加工センターで製作するなど、学内のさまざまな施設や設備を活用。直線がメインである空港滑走路というコースの特性を考え、車体の企画・設計を行いました。
迎えたレース当日、昨年までチームの指揮を執った、自由工房OBで大学院工学研究科 制御機械工学コース修了の城健斗さんも応援へ駆けつけ、「ソーラーカーの製作を通じて得られる経験は何物にも代えがたい。モノづくりを楽しみ、このレースを通じてさらに人間力と技術力を高めてほしい」と後輩へエールを送りました。
本大会のソーラーカー部門には15チームがエントリー。大会当日、少しでも不備があるとレースに出場できないこともある車検を見事クリア。18日の2時間耐久スタート直前には雨風が強くなりヒョウが降る中でマシントラブルが起こるなど、予期せぬ事態に見舞われましたが、チーム一丸となりピットで修理・調整を行いレース中盤にはピットスタートから2,540mのコースを9周走り抜くことができました。また、天候にも恵まれた翌日19日の3時間耐久では25周を走り抜き、2日間計34周を記録しました。
チームの代表である、池島唯大さん(工学部 電子機械工学科3年)は大会を終え、「11月開催で日射量が少なく、ソーラーパネルの発電効率も厳しい中で昨年を大きく上回る周回を走ることができたことは今後に向け可能性の見えたレースでした。ただ、調整不足など悔やまれる部分も多かったので、来年に向けてプログラムでバッテリーのマネジメントを行うなど車体のエネルギー効率を上げ、今後は表彰台に上がれるようなチームにしたいです」と語ってくれました。
本学自由工房では、学生による「モノづくり」を支援しており、学生の日々の努力が今回のような成果に結びつくようこれからもサポートしていきます。
自由工房EVプロジェクトチームでは今回の経験を活かして、今後各地で開催される試走会にも参戦予定です。応援よろしくお願いいたします。
◆車体データ
チーム名 :OECU Solar Team Ku-On
車両名 :FortimaP2
車両寸法mm(長さ×幅×高さ) :4400×1430×1150
ソーラーパネル(メーカー/形式) :Sunpower/単結晶シリコン
モーター(メーカー/形式) :MITSUBA / M2096-DⅢ
バッテリー(メーカー/形式) :AMORGE / AWJ-602040
チームPR :BWSCで主流となりつつあるモノハル形状とフォーミュラスタイルを融合させたオリジナリティあふれる車体で紅葉色づく白浜の地を驀進します。