特別講演会
2013年3月29日
「医療・福祉分野における4D計測技術の応用」
人体表面の三次元形状を高速度且つ高精度で計測可能な位相モアレ法を応用して、三次元形状の時系列変化を高速・高精度に計測できる「4Dセンサー」に関して、研究開発に関わってこられたお二人の先生に講演いただいた。最初に森本吉春先生(和歌山大学名誉教授・一般社団法人モアレ研究所代表理事・4Dセンサー株式会社会長)から「高速三次元形状計測4Dカメラの開発とベンチャー起業」について講演をいただき、その後、藤垣元治先生(和歌山大学システム工学部光メカトロニクス学科准教授・学生自主創造科学センター副センター長)に「4Dカメラによる形状計測の原理と応用」について講演をいただいた後、コンパクトにまとめた4D計測装置の実機によるデモが行われた。この計測技術は、医療工学や福祉工学の分野において従来は不可能であった領域に踏み込んで新しい展開を可能にする基礎計測技術であり、生体医工学、スポーツ工学分野などの多方面への今後の応用展開が期待できる。講演の後、学生を交えて参加者から活発な質疑応答があり、意見交換が行われた。参加者は34名であった。
(1)「高速三次元形状計測4Dカメラの開発とベンチャー起業」
講演者:和歌山大学 名誉教授 一般社団法人モアレ研究所代表理事 4Dセンサー株式会社 代表取締役会長 森本 吉春 氏


(2)「4Dカメラによる 形状計測の原理と応用」
講演者:和歌山大学 システム工学部 光メカトロニクス学科 准教授 藤垣 元治 氏


特別講演会
2013年3月18日
「知能ロボットの最前線 (10)」
メカトロニクス基礎研究所主催の「知能ロボットの最前線」と題する特別講演会も今年で10回目を迎えました。今年は医用情報・ロボティクスの最前線というキーワードで最先端の研究をされている3名の方にお話しいただきました。
(1)「新原理メカトロニクスに基づく医用マイクロナノマシンとロボティクス」
講演者:東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 教授 先端技術研究センター 生田 幸士 氏
【概要】超微小マイクロマシンを製作され、それが人体の隅々まで移動して種々の治療行為を実施することをご説明いただいた。生田先生は本学の近くのご出身で住吉高校から大阪大学へ進まれた関係で本学にもゆかりの多い方である。そのあたりの話も学生中心の講演会であったこともあり親しみやすくご説明いただいた。また、生田先生が名古屋大学時代に世界で初めて企画された「エッグドロップ」とその教育的効果についてもお話頂いた。


(2)「医用画像認識による計算機支援診断と手術支援」
講演者:立命館大学情報理工学部 教授 陳 延偉 氏
【概要】人間の内臓(特に肝臓)のMRI/CT画像DICOMから、3つの脈管(門脈、動脈、静脈)を認識して取り出すアルゴリズムについてご説明いただいた。これは、肝臓シミュレーションや肝臓ナビゲーションを製作するための基礎データである。


(3)「歯科における破壊現象予防法確立のためのバイオメカニクス」
講演者:大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能再建学口座(歯科理工学教室) 助教 山口 哲 氏
【概要】歯にかかる力の分布を有限要素法で算出するアルゴリズムをご説明いただき、それによりどのような詰め物やインプラントの形状を歯に施せばよいのかが数理的に解明できつつあることがわかった。以上のご講演より、医学や歯学等の領域と工学の領域は極めて密接につながっており、工学的な新技術が医師や歯科医師の臨床現場を大きく支援できる様が明らかになった。


特別講演会
2013年2月22日
「企業が期待する大学教育における実学」
講演者:元 前川製作所 中井機械設計事務所 中井 裕教 氏
中井裕教氏は前川製作所において研究・教育の現場を経験されてきました。そこで技術者の立場から企業が期待する大学教育における実学について分かりやすくお話しいただきました。


特別講演会
2012年12月20日
「減勢槽の形式差による水理構造物の振動現象」
講演者:元Hitz 日立造船㈱ 鉄構・建機事業本部 設計本部 技術総括 大阪電気通信大学 客員研究員 巻幡 敏秋 氏
工学の分野では振動に関連した重大な問題が数多く発生しており、ダム放流設備においても同様です。洪水時にダム湖の水位を調節することを目的とした放流設備では、放流時に減勢槽の影響で主ゲートが激しい振動現象を引き起こし大きな問題となっています。本講演では、その具体例をわかりやすくお話しいただきました


特別講演会
2012年11月26日
「大学での勉強及び基礎研究の大切さ ~企業での実務にどのように活かされるか~」
講演者:株式会社前川製作所 技術研究所 奥 達也 氏
平成19年度に本学大学院博士後期課程を修了し、工学博士の学位を授与され、現在最先端の技術開発を行っている技術者の立場から大学での勉強及び基礎研究の大切さについて分かりやすくお話しいただきました。


特別講演会
2012年7月26日
「ライジングセクタゲート振動事例」
講演者:元 日立造船(株) 鉄構・建機事業本部 設計本部 技術総括 大阪電気通信大学 客員研究員 巻幡 敏秋 氏
工学の分野では振動に関連した重大な問題が数多く発生しています。本講演ではライジングセクタゲートと呼ばれる水門の扉間漏水による振動事例(韓国)や、扉間漏水・越流水脈・傾斜流の下端段落ち部の水脈による振動事例(日本)について、長年水門の設計などに携わってこられた巻幡敏秋氏に分かりやすくお話しいただきました。

