MERI Activity Report (2016 Vol.17)

1.巻頭言(全文掲載)
将棋や卓球など、10代の若い力が日本を笑顔にする原動力になっています。未来への技術革新も留まることなく、人間に関係するセンシング、ビッグデータ、脳科学、ロボティクス、IoT(Internet of Things)、エネルギー・環境などが大きく成長しています。本学におきましても、開設以来、工学部/情報通信工学部/医療福祉工学部/総合情報学部/金融経済学部の5学部と3つの大学院研究科を有する技術系大学に成長し、更に2018年度には工学部に建築学科を、総合情報学部にデジタルゲーム学科とゲーム&メディア学科を開設する予定です。また、「人間力」と「技術力」を培う大学として研究教育活動を推進させるべく、エレクトロニクス基礎研究所/メカトロニクス基礎研究所/情報学研究所において多くの研究成果をあげております。
メカトロニクス基礎研究所は、2009年にメカトロニクス研究施設から研究所として発足し、初代研究所長の石井徳章先生(本学名誉教授)のもとで機械工学基礎、電気・電子・情報、エネルギー・環境工学、計測制御・ロボティクス、バイオエンジニアリングの多彩な5部門を擁する体制となり、人の機能や行動を支援する「人にやさしい」技術の開発など時代をリードする研究を推進しております。現在の研究所のスタッフは、工学部、総合情報学部、医療福祉工学部など全学部の教員35名におよび、大学院生約30名、学部生約140名と共同して産業機器や医療福祉機器など役に立つ機器の小型化・精密化・高機能化に関する研究を推進しております。本年度の研究業績も多数得られており、先生方の研究活動の基盤となる研究環境も予算面で前年度比約11%の増加となっております。今後も、学部学科の垣根を越えて多くの先生方にお互いに協調・協力し合って活発に活動していただけるように、予算面ならびに研究環境面の改善を進めていきたいと思います。
最近では、産学連携の推進を重点的に行っており、外部の企業や研究機関、医療機関などと積極的に共同研究が推進されるように研究所が援助しております。その成果として、当研究所が支援する“特定共同研究”として中田先生と独立行政法人水資源機構との共同研究が2015年から開始されました。また、2016年からは株式会社コナミスポーツ&ライフとの共同研究がスタートしました。今後とも、メカトロニクス基礎研究所として、外部機関と連携した共同研究の推進や、大学院生をはじめ研究所メンバーの方々、特に若い研究者の研究支援を強化していきます。
またメカトロニクス基礎研究所としては特別講演会やシンポジュウムも多数開催しており、大学院生や学部生の研究モティベーションを高めることに寄与できたのではと考えております。特にエネルギー、ロボティクス、臨床医工学の最先端の研究に加え、研究倫理や技術者倫理に関するテーマの特別講演では、関係する研究に取り組んでいる大学院生や学部卒研生にとって有益な内容であったと考えております。
以上のように、メカトロニクス基礎研究所は、初代所長の石井先生の意思を引き継ぎ、企業の方々との連携を推進していきたいと考えております。メカトロニクス基礎研究所の研究活動が社会の役に立ち世の中を変えるように、皆様方とともに発展できるように努力いたしますので、よろしくお願いいたします。
メカトロニクス基礎研究所 所長 松村 雅史
2.組織説明(以下、目次のみ)
3.共同研究報告
4.共同利用報告
5.講演会
6.研究報告
- エンジン軸受の潤滑解析と摩擦測定実験(小笹 俊博、新関 雅俊)
- エンジン潤滑解析へのCADの利用(3次元CADの利用と潤滑実験)(新関 雅俊、神田 俊明、小笹 俊博)
- 肝臓手術シミュレータ・ナビゲータを指向したコンピュータシステムの検討(南角 茂樹、新谷 淳洋、大西 克彦、小枝 正直、登尾 啓史)
- 義足足部・足継手部の歩行機能評価および構造強度評価を目的とした歩行試験システム環境の構築に関する研究(吉田 晴行、森本 正治、富山 弘基、橋本 泰典)
- ヒト着地時における下肢先端部の機能特性とエネルギ吸収に関する研究(藤川 智彦、小出 卓哉、万野 真伸)
- ネックバンド方式メディカルデバイスによる生体情報の無拘束計測と応用に関する研究(浦南 翔一、酒井 徳昭、大石 利光、松村 雅史)
- ヒトの口腔機能計測システムの構築と臨床応用に関する研究(新川 拓也、長松 有衣子、武井 安津子、阪井 丘芳、西 恵理)
- 輪帯照明を用いた走査型位相差顕微鏡による生体組織観察(日坂 真樹、松村 雅史)
- コンピュータビジョンによる車両検査技術の高精度化(渡邊 俊彦、徳山 幸治)
- 量子コンピュータ時代の公開鍵暗号の構成と安全性に関する研究(村上 恭通、境 隆一)
- 高機能暗号の構成と安全性に関する研究(境 隆一、村上 恭通)
- CT/MRI画像を用いた骨粗しょう症診断システムに関する研究(境 隆一、村上 恭通)
- 湖水循環装置の開発研究(中田 亮生、山岸 真孝、細木 祐索、野本 真広)
- 複合型曝気循環装置の最適運用法に関する研究(中田 亮生、岩松 裕二、山口 昌広、山岸 真孝、盧 金鎖(Lu Jinsuo)、添田 晴生、高岡 大造、森 幸治)